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episode44 再会、将軍とランスロット

 ユーコの率いる抜刀隊が、

 多勢の騎兵に囲まれ前線で孤立した。


「このままではユーコは戦死しますよ、伊波中尉」

「待て、軍曹、我々が向かっても、救出は困難だ」


 それでも、俺はユーコの救出に走ろうとしたが、

 その時だ。


「全軍、突撃ーッ!」


 総司令官のランスロットが自ら騎馬で駆け、

 突撃を敢行する。


「一点突破だ!」


 国王派は3000名。

 倍以上の兵力の将軍派を相手に、真正面から、


「突っ込めえーッ!」


 密集隊形で敵陣の中央に突入した。

 地響きのような雄叫びが、


「うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉォォォーッ!」


 響き渡り、

 勇猛果敢な将兵が一体となった、次の瞬間、

 両軍が激突する。


「死ねや、野蛮な人獣どもが!」

「地獄に落ちろ、差別主義者!」


 憎しみと憎しみが、ぶつかり合い、

 壮絶な殺し合いが始まった。

 戦場には怒声と、


「おりゃーッ」

「うがあぁっ」


 断末魔が響き渡り、


 ガキーン、

 ガコーン、

 バギーン、


 槍や剣が金属音を響かせて、


 ブシャァァッ。


 血飛沫が飛んだ。そして、

 ランスロットは単騎、地獄の戦場を駆け抜けて、

 将軍の本陣に、たどり着く。


「ずいぶんと久しぶりだな、将軍よ」

「僅か、一騎だけか、ランスロット」


 対峙する二人、少し遅れて到着した俺は、

 ランスロットの後方に付いた。


「あれが将軍か」


 純白の甲冑を着た総大将が、

 白馬に騎乗して、

 ズラリと親衛隊を従えている。


「将軍、20年前、この南の平原で共に戦ったな」

「そう、あの戦いで私は愛する者を失ったのだ」


 その対話の後、将軍は言葉を続けた。


「その時だ。私は全てを失い。全てが始まった」


 さらに、こう語る。


「天と地の森羅万象は、この私に戦えと命じた」

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