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episode28 農村での戦い

「安達、通信機で呼びかけてみろ」


 伊波中尉に命じられた、通信兵の安達一等兵が、


「大和上等兵、大和上等兵、応答願います」


 と、発信したが応答はない。

 伊波中尉も、その通信回線を使い、


「大和、今、投降すれば寛大な処分を考えてやる」


 そう送信したのだが通信機は沈黙したままだ。

 その後、配置に付いた俺は、


「いったい、俺たちは何をしているのだろう」


 藪に隠れて、虚しさを感じる。


「こちらの戦力は二倍だ、奴らは、戦わずに」


 逃げるだろう、そう思ったのだが、その時、


「敵襲!」


 安達一等兵が叫んだと、同時に、


 バゴオォーン!


 爆発が起こった。

 大和上等兵のロケットランチャーの攻擊だ。


「このクソ野郎がッ!」


 武蔵上等兵が怒鳴り声をあげながら、


 ドガァン、ドガァン。


 大型ショットガンで応戦する。

 真昼の農村で激しい戦闘が始まった。


 ババババーン。ババババーン。ババババーン。


 今、農民たちは家の中で怯えいるに違いない。


「絶対に村の家を盾にするなよ!」


 伊波中尉が指示を飛ばす。

 農家に被害を出したくないのだ。


 ドガン、ドゴン、バゴン、ズドン!


 村の至る所で爆発が起こり、炎が燃え上がった。

 その戦闘の最中、武蔵上等兵が、


「そっちに行ったぞ。捕まえろ」

「了解しました。任せて下さい」


 安達一等兵と連携して、

 脱走兵の一人、綾野二等兵を捕らえたようだ。


「い、命は助けて下さい。自分は」

「誰が許すか。この強盗誘拐犯が」


 必死に命乞いをする綾野二等兵に、

 武蔵上等兵は大型ショットガンを突きつける。

 そして、


「止めろ、武蔵、撃つな」


 と、俺は止たのだが、

 武蔵上等兵は無表情のまま、


 ドガァン。


 綾野二等兵の頭を吹き飛ばした。

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