表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/55

episode27 脱走

 夕食の後、屯所の外で大和上等兵は、

 俺に野心を語った。


「自分は、この異世界で何かデカい事をしますよ」


 そして、その日の夜に、彼は、

 パワードスーツを着装して脱走する。


「あの野郎、何を考えているんだ」


 と、吐き捨てのは、

 大和上等兵の同期の武蔵上等兵だ。

 この時、大和上等兵と共に脱走したのは、

 南雲一等兵、綾野二等兵、加賀二等兵である。


「軍曹、何か、知らないか?」


 そう伊波中尉に問われたので、

 俺は正直に、彼が野心を語ったことを話した。


「なぜ、その時に俺に報告しないんだ」

「すいません。一応、止めたのですが」


 この後、彼らの野心は残念なことになる。

 数日後の朝、ランスロットが屯所に来て、


「昨日、脱走した兵たちが村を襲ったらしい」


 と、言った。その話では、

 どうやら大和上等兵の一派は農村を襲って、


「食糧を強奪し、若い娘を誘拐したのだよ」


 この話を聞いた伊波中尉は、


「奴らの始末は自分たちの手でつけます」


 そう言ってから、静かに、ため息を漏らした。


「今は戦争の最中だ。迅速に頼むよ」


 そう言葉を残して、ランスロットが退室した後、

 伊波中尉は、地図を広げて、


「次に、大和たちが次に襲うのは、この辺りだな」


 と、予想する。そして、その日のうちに、

 残りの小隊員8名が、

 パワードスーツを着装して全員で出撃した。

 そして、昼過ぎに、その村に到着すると、


「奴らは、この村を必ず襲うだろう」


 伊波中尉が確信を持った口調で言った後に、


「大和の野郎は、自分が、ぶち殺してやりますよ」


 大型ショットガンを携えた、武蔵上等兵が、

 怒りの表情で言葉を吐き捨てた。

 俺は、その様子を眺めながら小声で呟く。


「大和、お前の野心は、こんなモノだったのかよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ