episode25 精鋭部隊
夜。城内の屯所で俺は、
ぼんやりとアリスのことを考えていた。
「今頃は、あのオオワシの人獣の国王にアリスは」
弄ばれているのだろう。その行為を想像して、
俺は、なんだかイライラして眠れなくなる。
そして、翌朝、寝不足の俺に出撃命令が下った。
「現在、将軍派の部隊が町の南側を攻撃している」
と、伊波中尉が言う。
その部隊は人獣の精鋭100名で、
すでに町の義勇軍は、
かなりの被害を受けているらしい。
「了解しました。すぐに出ます」
「軍曹、右脇腹の傷は大丈夫か」
「もう完全に回復していますよ」
俺はパワードスーツを着装し、
大和上等兵と安達一等兵、綾野二等兵を、
従えて出撃した。
「たった四人で大丈夫ですかね」
と、綾野二等兵が不安気な声で言う。
それに答えたのは大和上等兵だった。
「パワードスーツの俺たちは無敵さ」
6連装のロケットランチャーを担いで、
笑顔を見せる大和上等兵。そして、
戦場に到着すると、
「おっ、戦闘の真っ最中のようですね」
と、安達一等兵が言葉を発する。町の南側では、
義勇軍と人獣部隊の、
激しい弓兵戦が繰り広げられていた。
「よし、行くぞ!」
俺は号令を発し、矢の飛び交う戦場に躍り出る。
「ロケットで吹き飛ばしますよ」
そう言いながら大和上等兵は、
ロケットランチャーを構え、二発、発射した。
シュゴーン、シュゴーン。
ロケットは真っ直ぐに飛んで、
バゴーン、ドガーン!
人獣の弓兵隊を吹き飛ばす。だが、その直後、
「ウガアアァァーッ!」
獣人部隊が突撃して来た。
「機関銃で撃ち殺せ!」
俺の命令でパワードスーツ隊は、
バババババババーン、バババーン、バババーン。
機関銃を連射して、敵を薙ぎ倒す。




