episode22 ギャングのボス・ジャバザ
非番の夜。俺は無断で、
パワードスーツを着装して歓楽街を歩いた。
「おっ、英雄さんだ」
「どこへ行くんだい」
と、酔っぱらいから声をかけられ、俺は、
そのうちの一人をつかまえて、
ジャバザの居場所を聞き出した。そして、
ジャバザの屋敷では、
「何だよ、お前は?」
門番はパワードスーツの俺を見ても、
ギャングの一員らしく、凄んで見せる。
「おい、ここを何処か、知っているのか?」
「ジャバザのウチだろう。通せよ、コラ!」
俺は門番を蹴り上げて、
ドカン!
屋敷の門扉も破壊した。
「なんの騒ぎだ!」
中から数人の男が短剣を片手に、
飛び出して来る。だが、
パワードスーツの敵ではない。
バシッ、ドカッ、バシン。
奴らを叩きのめして屋敷に侵入し、
奥の部屋の扉を蹴り開けると、そこには、
「アリス、うあぁっ、裸なのか?」
「軍曹さん、何で、ここに来たの」
と、アリスは慌てて毛布で裸体を隠す。
そして傍らにいたジャバザは、
「おい、何だ。無礼なヤツだな」
そう言いながら、派手な金色のガウンを羽織り、
ギャング特有の威圧的な態度で、
「こんなことをして、ただで済むと思うなよ」
と、凄むが、俺は無視して、
バババッ、ババババババァーン。
機関銃を天井へ向けて連射する。
「うあっ、な、なんだ!」
これにはジャバザも驚いたようだが、
次に、硝煙の上がる銃口をジャバザの頬に、
押し付けた。
「あッ、熱い。止めろ」
「火傷する程じゃない」
パワードスーツのゴーグルの奥から、
ジャバザを睨みつける、俺。
「アリスを身請けしに来たんだよ」
「わ、わかったから。連れて行け」
「俺は紳士だから金貨で支払うぜ」
と、金貨の入った袋をジャバザに投げつけた。




