episode20 人獣騎兵隊
たった五騎の騎兵隊が、
城壁の内側へと突入してきた。
あまりにも数が少なく、発見が遅れたようだ。
「通用門を突破された!」
近衛兵が叫ぶ。突然の奇襲に城内は混乱に陥り、
俺は、慌てパワードスーツを着装して、
「敵は、どこだ?」
と、敵の騎兵のいる場所へと急ぐ。
「あれか!」
その五騎は人獣で、
ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローと、
そして、先頭を走るのはホワイトライオン。
「ライオン・ショオ」
であった。
ショオは、左脚をギプスで固定して、
手には、あの日、建国祭の露天商が売っていた、
どんな盾でも貫く矛を振りかざしている。
「奴はアレを買ったのか?」
そのショオを止めようと、
一人の近衛兵が立ちはだかるが、
彼が構えているのは、
同じく、露天商が売っていた。
「どんな矛でも防ぐ盾だ」
最強の矛と、最強の盾
「セイアーッ!」
ショオが、最強矛を最強盾に、打ち込んだ。
ガヂゴオォン!
けたたましい衝撃音が鳴り響き、
矛は折れ、盾は割れる。
そこへ、パワードスーツを着装した、
大柄の大和上等兵が、
「コイツで吹き飛ばして、やりますよ」
そう言いながら、
6連装のロケットランチャーを構えた。
「止めろ、城内に被害がでる」
即座に、伊波中尉が制止したので、
「俺が止めます」
と、騎兵隊の前へと躍り出た。
そして超至近距離から、俺は、
ババババババーン。
機関銃を連射する。
「ウアガァ」
「オゴアッ」
「グアァァ」
ゾウ、サイ、バッファローの人獣が、
ドサアーンッ。
落馬して、地面に倒れた。
それを見たライオン・ショオが、
「退くぞ!」
と、ヒョウの騎兵に大声で命じる。
二騎は矢のように城内を疾走した。




