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episode19 城壁の内側にて

 俺たちパワードスーツ小隊は、

 城壁の内側に屯所を設けることになった。

 この屯所にはヘルメスも顔を出し、


「一昔前、王室で内紛がありましてね」


 などと、王室の内情について教えてくれる。


「その内紛の結果、オオワシの人獣が極秘裏に」


 国王の地位に就いたのだと語った。


「元々、今の国王は、オオワシ伯爵と呼ばれ」


 この異世界の人獣の統率者であったらしい。

 そのオオワシ伯爵が、表面上は、

 忽然と姿を消したことで、


「町の人獣の地位の低下にも影響しました」

 

 と、ヘルメスは言う。この地位の低下により、


「人獣の生活は不安定になったんですよ」


 国王は自分一人の権力のために、


「仲間の人獣を見捨てたのです」


 そうヘルメスは吐き捨てた。

 側近の彼も、心底、国王に忠誠を、

 誓っているのではないらしい。


「そんなことも知らされず、ランスロットは」


 国王への忠誠を貫いて戦っているのだ。

 そんなこと考えながら俺が、

 午後の城内の見回りをしていると、


「あっ、君は!」


 アリスの妹で魔法学校の生徒のスズを見つけた。


「こんな所で、何をしているんだい?」

「魔法要員として招集されたんですよ」

「それってさ、どんな任務なのかな?」

「まあ、明日の天気の予報とかですね」

「えっ、そんなこと。敵を殲滅とかは」

「そんな魔法は、フィクションですよ」


 スズは、ややあきれ気味に言いながら、


「それより傷の痛みは、どうですか?」


 と、傍らの鞄から例の銀の皿と白い粉を、

 取り出した。


「いや、いや、もう、それはいいよ」


 俺は逃げるように、その場から去る。

 だが、その日の夕刻のことだ。


「敵襲!」


 と、見張り櫓の近衛兵が叫んだ。

 俺は駆け寄って問う。


「敵の数は?」

「五騎です!」

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