episode17 国王の晩餐会
開戦初日。俺たちパワードスーツ小隊は、
北の森から出発して、
西側を通る街道を南下。そして、
「城の西側に展開する将軍の本陣を攻撃した」
この一戦で俺たちは圧勝する。
結果、将軍の本陣は総崩れとなり、
3000人を超える敵の軍勢は撤退した。
「伊波殿、ありがとうございました」
と、ランスロットが深々と頭を下げる。
「いいえ、我々は任務を果たしただけです」
戦いが終わった後の町は、所々が放火で焼かれ、
至るところに死体が転がっていた。
その町の人々からは、
「伝説の英雄が12人にもいるのなら」
「我が軍の勝利は、間違いなしだな」
などと、パワードスーツ小隊は歓待を受ける。
そして夕暮れ時にヘルメスが迎えに来て、
「国王が直々、労いたいと、おっしゃっています」
と、伝えられ、
パワードスーツ小隊の12名は城へと招かれた。
「では、私がご案内します」
ヘルメスの案内で城の迎賓館に向かう途中、
「軍曹、右脇腹の傷はどうだ?」
伊波中尉が思い出したように聞いてくる。
「大丈夫です」
俺は、短く答えた。
そして迎賓館に入ると、
そこには大勢の美女が支給していて、
「これが戦時中の宴なのか」
と、驚くほどの豪華な晩餐会が催された。
「おお、諸君が大活躍の英雄たちね。よく来た」
奥の席から声をかけられ、
見ると、玉座には、
オオワシの頭を持つ人獣が鎮座している。
「えぇッ?」
驚く俺たちに、
「国王が人獣だということは、ご内密に」
と、ヘルメスは小声で耳打ちした。
この事実は、この異世界の、
「殆どの者に知られていない、秘密なのです」
その話を聞きながらも、
伊波中尉は直立不動の姿勢をとり、
バシッ、
と、国王に向けて敬礼する。




