ドラマ
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「エロの神様に仕えるのってどんな気分」
「エロの神様? 僕の女神さまのことを言っているのかい?」
「うん」
「それは誤解だよ。アフロディテ・ウラニア様は、愛と性と……悲劇の神」
「悲劇?」
「叶わない恋。すれ違いの末の破滅。理不尽な死別。そういうのを上から見下ろして、気持ちよくなるのが好きな神様なんだ」
「……昼ドラ好きな主婦みたいだね?」
「昼ドラ?」
「あぁ。向こうの世界の話。それじゃ、あんたもそういうの好きなんだ」
「いや……ただ、そういう方の話を、毎日のように聞かされて、ノイローゼ気味なんだ」
「ノエル君かわいそ」
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「私も、みんなのために協力するよ。目の前で人が死ぬの、見たくないし」
「ありがとう。君の力があれば、教団はさらに確固とした組織となるだろう」
「任せて。まずは、あっちの《強制対称性》とかいう変なスキルの下位神官さんを、武官にすべきだね。写本を無限にやらせてるのはもったいない」
「どうしてだい?」
「前のバランス調整で、能力の対象が『物体』だけでなく『友好的な人物』にまで拡大されたんだ。つまり、彼のスキルは、今や強力な治癒系スキルになったってこと。体の半分が吹き飛んでも、彼のスキルの発動が間に合えば、無事ってわけ」
「す、すごいな。おい君。知っていたか?」
「い、いえ。今回の調整では使用制限がきつくなったので、ナーフだと思っていました……」
「ふふん。他にも、みんなが気づいてないすごいのがいっぱいあるよ」
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