襲撃
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「うわぁ襲撃だぁ」
「どこのもんじゃい!」
「なんか見慣れない武器持ってる」
「多分邪教徒だよ」
「なんでこんなところに?」
「なんか、誰かを探してるっぽい。うっ。なんか……さ、刺さってる。血、血いっぱい出てる。死ぬの? 私?」
「ゲシュタルトちゃんが死ぬ!」
「だ、誰か、救命系のスキル持ってる人!」
「《観測者》はどこだ!」
「見つけ次第捕らえろ!」
「ひぃっ。に、逃げなくちゃ! でも、バレたらヤバい。あ、そうだ。あの子なら……ネズミちゃん!」
「ひぃ」
「あいつらの舌抜いて!」
「む、むりだよ。あいつらネズミじゃないから」
「ネズミだと思い込んで!」
「あいつらはネズミ、あいつらはネズミ」
「うっ」
「えっ。私がやったの? すごい!」
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「君が《観測者》か」
「え、あんたがノエル? まだ子供じゃん」
「君もね。まずは、襲撃を防いでくれたこと、感謝する」
「ずいぶん大人みたいなんだね」
「四年ももうこの世界で生きているからね」
「大変らしいね、オラクルってのも」
「どんなスキルを持ってたって、生きるのは苦しいさ」
「そうかも。私の友達も何人か死んじゃったし。もっと早く、スキルの使い方教えてあげとけばよかった」
「なぜ黙っていたんだ?」
「……しゃべってたら、もっと早く襲撃が来てたんじゃない?」
「君は、思っていたよりも賢そうだ」
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