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誕生
何もない空間にて
「あれ……ここは?」
「あなたに、望んだ能力<スキル>を授けましょう」
「じゃあ、自分がその時ほしいと思ったスキルを、いくらでも手に入れて使えるスキルで」
「そういうのはナシです」
「えー。じゃあもうなんでもいいです」
「わかりました。最近空きができたスキルがあるので、それをあなたにあげましょう」
「ん? 空き?」
「死んだってことですよ。それじゃ、行ってらっしゃい」
「はーい」
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赤ん坊がたくさんいる空間
スキル《観測者》
「なんやねんこれ」
「あ、君も生まれてすぐ話せるんだね」
「赤ちゃんじゃん」
「君もね」
「ここどこ」
「多分、どっかの宗教団体の変な施設」
「こわ」
「大丈夫だよ多分。というか君、この世界の人じゃないね?」
「ほえ?」
「まぁ色々教えてあげるよ。私、今世はけっこう前世の記憶残ってるっぽいから」
「へー。ありがと」






