Chapter2: SECOND GENESIS
目が覚めると、彼女は森の中に倒れていた。
「あれ… 私は、部屋にいたはず…」
身に着けているものを確かめてみて驚いた。
「これって、『パーティ・クエスト』の格好じゃない!」
自分がしたかったゲームの格好で、森にいる。
「これは… 転生ということかな…」
ゲームのキャラになったというなら、確かめねばならないことがある。
「ステータス!」
目の前に自らのデータが表示された。
スキル数が、ハンパない。
ポイント値は比較対象がないから、何ともいえないが、4ケタは絶対に多いと予想された。
彼女は叫んだ。
「キタコレーッ!!」
転生しても、チートでなければツマらない。
彼女は第一関門を突破したのだ。
前世に未練がないわけではない。
しかしこの世界を楽しめそうだとしたのなら、それはそれで良いのだ。
実世界をザコとして生きるより、チートで異世界を生きる方が良いに決まっている。
彼女は魔術師だった。
「ファイヤーボール!」
そういって、指を向けると、火の玉が出て、周辺が焼き払われる。
「これは… 思うように、何でもできるわ…」
ふと思い立って彼女はいった。
「探知!」
すると頭の中で、この森の状態が把握できた。
すぐ近くに人がいるようだ。
しかもゴブリンと戦っている。
「移動!」
彼女はそこに行ってみることにした。