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幼馴染の距離感覚

「弘香ちゃん。早く体調良くなると良いけどなぁ」

 

 洗い物も終わり、ひと段落。

 弘香ちゃんのお母さんには、幼馴染とあって信頼されているのもあり、いつでも家に出入りして、好きにしていいとの許可は貰っているけど、キッチンを借りた報告はしないと……。


「ちょっとしてからまた弘香ちゃんの様子見に行こう」


 


「お邪魔します……」


 1時間後。スポーツドリンクと熱冷シートを持って弘香ちゃんの部屋のドアをそっと開ける。

 

「…………すぅ」

「寝てるね」


 目を閉じ、微かに寝息を立ていた。

 最初に部屋に来た時よりは、苦しそうな顔はしていない。息も……乱れていない。

 お粥を食べて、薬を飲んだらそれなりに良くなったのかな。


 ならば、僕にできることはもうない。

 あとは弘香ちゃんが寝るだけ。たくさん寝て、たくさん汗をかいて、悪いものを出して……1日でも早く熱が引くといいなっ。


 ピロン! ピロンピロン!!


 不意にスマホの着信が連続で鳴ったものだからメッセージをその場で確認すると……。


斗樹:【おいこら、幼馴染。何カッコつけて看病行っていやがる!】

純矢【ワシらだって行きたいんだぞ! 幼馴染だからって自動的に行けやがって!!】


「うん、幼馴染だからね」

 

 2人からのメッセージを見てそんな感想しか出ない。というか、僕が弘香ちゃんの看病に行くために早退したの、バレたか。

 明日は質問攻めにされそうだなー。

  

 ふと、弘香ちゃんを見る。

 学園では高嶺の花。気軽に話せないというクラスメイトもいるだろう。

 

 でも僕は幼馴染だから……。


「これくらい普通だよね……」


 看病する理由なんて、幼馴染だからで完結できる。


 斗樹と純矢にメッセージを返す。ある程度したら授業が始まるのか、会話が途切れた。


 座っていた僕は立ち上がり、部屋を出ていことしたけど……。


「ふぁ……。あー……なんだか眠いなぁ」

 

 目を擦るも、眠気は増して。

 少しだけ、少しだけなら寝ても……。


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