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ライラック  作者: 遠藤 敦子
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 付き合って1ヶ月半が過ぎた頃、里美から緊急性の高いLINEが来る。添付された写真は封筒で、中には「これだけで済むと思うなよ」という手書きのメモとネズミの死骸が入っていた。差出人などは書かれていなかったので、直接投函されたかもしれないとのこと。間違いなく犯人は谷川しかいないと言っていた。僕は里美に警察を呼ぶよう言い、今すぐそっちに行くと伝える。

 大急ぎで里美の家に行くと、里美と警察官が話しているのが見えた。僕は泣きながら話す里美の元に駆け寄り、警察官に「渋沢里美さんの交際相手の岩合真志です」と話す。

「岩合さんは、渋沢さんの前の彼氏さんと面識ありますか?」

警察官から尋ねられ、面識はないと答えた。またスマホにある写真を見せながら、僕を名指しした脅迫文が来たことも話す。

「なるほど、経緯はわかりました。渋沢さんが岩合さんと付き合い始めたことをどこかで知って、別れさせようと嫌がらせしてきているわけですね……」

警察官がそう言い、僕は谷川が里美に未練があって僕と引き裂こうとしているのだろうと伝えた。

「このままだと職場に押しかけてくる可能性もありそうですし、家の周りだけでなく職場の周辺とかもパトロール強化しますね。職場への相談と、渋沢さんは経済的に余裕があれば引っ越しを検討されても良い気がします。私A警察署の鬼島(おにしま)と申しますので、何かあればいつでもご相談ください」

鬼島さんは僕と里美に相談窓口の連絡先が書かれた紙をくれ、署に戻った。

 鬼島さんのアドバイスもあり、僕は里美に「今すぐは無理だと思うけど、俺ん家で一緒に住まない?」と聞いてみる。「1人じゃ不安だったけど、真志と一緒なら心強いかも」と言ってくれた。この後里美は管理会社のホームページから解約希望の問い合わせをし、再来月から僕の家で一緒に住むことになる。

「引っ越しとか手伝って欲しいことあったら呼んで」

僕がそう言うと、里美は笑顔でお礼を言ってくれた。また、明日職場の店長にも谷川について相談してみるとも言っていたのだ。

 この後は一緒に段ボールへ細々としたものを詰めていく。僕の家にそれらを宅急便で送るためだ。先に洋服や化粧品や食器類などを送り、それ以外の大型家電は処分するそう。里美の家にはあまりたくさん物はなかったので、引っ越し業者を手配するよりは宅急便の方が安くなった。ただマンション解約時の違約金が通常より高くなったけれど。

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