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ライラック  作者: 遠藤 敦子
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 勤務中は業務に集中し、休みの日はジムに通っているうちに里美と犬カフェに行く日が来た。早めに最寄り駅についた僕は、本屋で時間を潰す。最近読書できていなかったので、相沢朋美さんの『大丈夫だよ、気にしないで』と高坂美月さんの『スタートライン』を購入した。また漫画ではあるけれど、近藤達夫先生の『密偵家族』の最新刊も買っていく。『密偵家族』シリーズはとても面白く、里美にもおすすめしたいくらいだ。

 買った本をベンチで読んでいた頃、里美からもうすぐ着くと連絡が来た。僕はすぐに本を閉じ、急ぎ足で駅に向かう。それから駅で里美と合流し、犬カフェまで歩いた。犬カフェには様々な犬種の子犬たちがいて、おもちゃで一緒に遊んであげると喜んでくれるのがわかる。女性同士のグループで来ている人やカップルで来ている人もいたけれど、あるカップルの女性の方に多くの子犬たちが集まっていた。彼女には動物に好かれる何かがあるのだろうと言いながら、僕たちはそのカップルの女性の方を見ていた。他の人たちも

「めっちゃ好かれてんな」

「すげえ……」

「あれは天性のものか、一種の才能だと思う」

などと話してその女性に見とれていたのだ。

 犬カフェを出て、僕たちはカフェに向かう。カフェではスイーツと飲み物を嗜みながら話をした。22歳と19歳で若かったので結婚の話とかはしなかったものの、これから行ってみたい場所やしてみたいことなどについて話す。付き合いたての若いカップルと同じようなことを語ったと思う。

 ある程度時間が経ち、僕と里美は駅で解散した。僕からお礼のLINEを送り、気をつけて帰るように伝える。家に着いた頃、里美からLINEが来た。お礼のLINEと今日の写真が送られてくる。それは良かったものの、僕にとって衝撃的な内容も書かれていたのだ。

 里美が1人暮らしの家に帰り、郵便ポストを開けると1枚の紙が入っていたという。その紙はいわゆる怪文書で、「岩合真志 これ以上里美に近づくな 近づいたら殺す」と書いてあり、新聞の字を切り抜かれていた。身の危険を感じた里美がすぐさまこの件について僕に報告してきたのだ。

 「犯人が誰か、心当たりはある?」と聞いてみると、これを入れたのは里美が高校生の頃に付き合っていた元交際相手の谷川悠生(たにがわゆうき)だろうと言っていた。じゃあどんな奴かと聞くと、1歳上の先輩でファンクラブができるほどの有名人だったという。しかしこの谷川は里美が高校2年生の頃、里美の親友のルリに手を出していたことが発覚した。というのもルリに送るつもりだった「次の部活の休みいつ? さっきしたばっかりなのに、もうルリちゃんとしたくなっちゃった」というLINEを、里美宛に送ってきたそう。里美が谷川を問い詰めると、「お前がなかなかさせてくれないからルリちゃんとした。それの何が悪いの?」と開き直ったようだ。

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