疾走する者
学園から外までは距離があるが、障害物の無い屋根の上を走るのだから一直線、道を把握していないとかは関係無い。
街を守る為の壁まで壁の近くまで飛び進み、これ以上城壁に近付くと、監視の兵に見付かるという所で、路地裏に飛び降りて、マントを脱いで通りへと出ると、そこでは多くの人達が溢れ返って賑わっている。
木々が鬱蒼としている森の中を駆け抜けて来たから、人ごみのの中でも疾走する事も出来たが、それでも目立ってしまう。
「外に出るまでの我慢だ……」
風の力を抑えて、慌て事がある人のように、人ごみの中を走り抜けて外へと繋がる門を走り抜けて、森の中へと入り込むとマントを羽織って、
「ふぅ……本気で行くぞ!!!!」
『ヒュッヒュゥゥゥゥゥゥウゥゥ!!!!!!』
『ザァァアアァアァァァァァァァ!!!!!!』
一陣の風となって森の葉を掻き鳴らしながら、じいちゃん達のいる家と帰る。
もう人目を気にしない。
もしも見られたとしても、山の中を疾走する謎の存在なだけ。
遠慮も何も無く、自分の持てる力をフルに活用して森の中を飛び、山を疾走して……肉体を、精神を集中させて、最速を維持し続ける事だけに意識を持っていき……
「じいちゃん!!!!ばぁちゃん!!!!」
森が後ろに流れる光景だけをジッと見つめていたが、目の前に山小屋の姿が見えて、そこで意識が戻る。




