魔虫の資料
冷たい目をして、こちらを見ていたセルロスは再び資料に目を落とし、
「この資料には、魔虫とエルフが関連している証拠があったのだけれど……分かったかしら?」
「魔虫とエルフの?その資料に描かれているのは魔虫の絵だけで……」
「本当に?これを見ても同じことが言えるかしら?」
資料を突き出すようにして、こちらに見せる資料。
そこに描かれているのは魔虫の詳しいイラストだけで……
「よく見なさい、あなたにこの文字が読めて?」
「あっ……」
資料に描かれているイラストを説明する為の 読めない文字……それは人間の文字では無く……
「これはエルフの文字……そして、詳細に描かれている絵……そこから導き出せる答えは?」
「この資料が…エルフが、魔虫を使役する為に使う資料?」
そこまで答えを出すと、セルロスは手にしていた資料を棚に戻してから、こちらを見据える。
「エルフの秘石」
「はい?」
「あなたが私に見せたエルフの秘石……あれがどれだけ貴重な物か分かって?」
「いえ……」
風の力を使うと言っても、本当は秘石を使っているのではない、風の力はあくまでも自分の力。
だから、エルフの秘石がどれ程貴重かと問われても、知っている訳が無い。




