力を使う者
じいちゃん達からは、風の力を使うと忌み嫌われるから人前では使うなと、どうしてもという時は、姿を隠しなさいと言われて来ただけで……そんなエルフの力を使う者に呼び方があるなんて、知る由もない。
「聖女……男性なら聖男ですか?」
頭を捻り、自分の知らない呼び名を模索した結果、セルロスが聖女と呼ばれていると言っていたのを思い出す。
そこから導き出した答えで言ってみるが、
「違うわ……」
「あっ……」
セルロスに首を横に振られ、資料を取られてしまう。
資料を手にしたセルロスは、ペラペラと資料を捲って目を通す。
「魔法使い……」
「えっ……?」
「女性なら魔女……」
「魔法使い…魔女…………魔虫と一緒だって言うんですか!!」
資料から目を離したセルロスが、自分の目と合わせて来る。
「私も地位と名誉、財力が無ければ魔女と呼ばれていたでしょうね」
セルロスの睨み付ける目は冷たいが、決してこっちを見下しているのでは無い。
「そんなの違う!!」
「落ち着いて聞きなさい、まだ話は全て終わっていないわ」
「くっ……!!」
もしも、自分と同じ力を使う者で無ければ、胸倉を掴んでいた……見下すなと。
しかし、セルロスは自分と同じように力を使う者、彼女が言葉にするのは老婆心からの警告……話を聞くしかない。




