部屋の中
セルロスが、身分の高い人物だというのは何となく分かっている。
それでも怒られるという部屋。
部屋の中に何があるのかと足を止めて、無意識に入るのを拒んでしまったが、
「怖がらないで。この部屋にあるのは、重要な資料の写しだけだから」
「写し?なんの写しですか?」
「それは見てからの楽しみよ」
手を引っ張られて足が前に出ると、部屋の中に連れ込まれてしまう。
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「ランプを付けるわ」
セルロスが、入り口横に置かれているランプを手にして灯りを灯すと、部屋の中は外の部屋と違って、こじんまりとしている。
少し首を横に振っただけで、部屋の全貌が明らかになる。
部屋の中にあるのは一つの棚と、
「あれが……」
そこに資料の束が一つ置かれているだけ。
大切に置かれている資料、それがこの部屋に学生を立ち入らせない理由だと分かる。
「見てみなさい」
先程は、資料に触れようとしただけで手を止められたが、今度は手を伸ばすように促される。
「さぁ」
セルロスの右手が離されて、右手が自由にされる。
この資料に何が書かれているのか、恐る恐る手を伸ばして中身を確認すると、
「魔虫?」
そこには魔虫のイラストと、見た事の無い文字が書かれていた。




