剣術
こいつの太刀筋は、命を刈り取る為の太刀筋。
当てるだけの中途半端な、気の抜けた素振りのような緩慢な振りとは似ても似つかない。
『ガッ!!!!ガギィゴッ!!!!』
「お前やってるのか!!」
「何を!!」
自分の腕前と互角に戦える平民。
先生を挑発する時に見た、あの素振り……あれを見た瞬間に感じた、コイツは普通じゃないと。
決して綺麗な太刀筋では無く、素人の荒々しい素振りだが、それでも命を刈り取る太刀筋。
騎士になりたいと、中途半端に身に付けた剣術とは一線を画するもの。
魅せた素振りが偶々ではないか、確かめるために一撃目から本気で仕掛けたが、この平民は見事に打ち返した。
「別に良いさ!!」
「このっ!?」
打ち合っていた所で、変則的な技を入れる。
右に左に上からと、剣を暴れさせている中で、両手で剣を握っていたのを右手だけに持ち替えて、肘を回して突き出す。
『ガッ!!』
「うっ!?」
平民の少年は、突然突き出して来た木剣に、体を捻らせながら木剣を合わせて受け流すように躱すが、
「これからが本番だぞ!!」
「……っ!!」
『ガッ!!ゴッ!!ガッギッ!!ゴッ!!ガッ!!』
剣を持っている右腕を鞭のように振るわせて、体を使って躱そうとする平民の少年を追い詰める。
まるでツバメが縦横無尽に飛ぶように剣が走る。
素早い剣撃は、平民の少年から反撃する時を奪い去って防戦一方にし、
「……っ!!」
平民の少年は、言い返す事も出来ずに歯を喰いしばって耐えている。
「やはり良い腕だな!!」
この剣術は兵士に囲まれた時に使う技で、多勢に無勢になった時に、一人で多くの兵士を捌く為に使う剣術。




