物言い
「こっちの子の見事だったのは、打突を避けられないとすぐ様に判断して、受け身を取る体制を取りつつ、そこから、蹴りを入れて木剣を弾き飛ばした……口で言うのは簡単だが、下手に手や腕、木剣を蹴っても手離さない。それなのに彼は弾き飛ばしてみせた……皆さん、彼がどうやって蹴り飛ばしたか分かりましたか?」
学園長は周囲を見渡すように、みんなに目配せをして、皆目見当が付かないとしている表情に頷いて、
「この子がやったのは、彼の打突と同じ位の経験を積んだ技。剣を握る腕と腕に足を入れて、そこから爪先を立てて、手と手の間の握り手の所を蹴り飛ばす……そうすると指を弾く形になって、木剣を蹴り飛ばす事が出来たのです……どちらも素晴らしい技術ですね」
今度は、自分がやった事をしっかりと見抜いて褒めてくれる。
自分達の事を褒めてくれた学園長は、もう一度、自分達の方に向き直し、
「考えてみましょう。一人は立っている状態ですが、木剣を蹴り飛ばされています。片や、床に倒れていますが、木剣をしっかりと握っています……そして、双方の腕前は互角と来ています……これで決着が付いたと思いますか?」
「いえ、決着は付いていません」
「まだ戦えます」
「そうです、あなた達はまだまだ戦えます」
誰にでも分かるように、この戦いの決着が付いていない事を示す。
「では、双方とも準備は良いですね?」
「はい」
「やります」
「それでは、試合を再開します!!」
学園長の声を合図にして、二人は再び動き出す。




