勝敗の行方は?
「手が届きそうな夢は、全てを壊す」
「全てを壊すだと!?」
その言葉に怒りが沸騰して、押し倒そうと体を押し込むが、
「そういう意味じゃないさ」
相手も怯む事無く、押し込もうとする力に飲み込まれないように耐えられ、
「ここで平民が偶々勝ったとするだろ。そうするとどうなると思う?簡単なんだ、自分は騎士になれる力があると勘違いして、学園を卒業するまでの大切な時間を無駄にするんだよ!!」
「ぐっ!?」
それ所か彼にも思う所があるのか、強く押し返されて、こっちが逆に後ろへと下がった。
「自分は騎士なれると思い上がって……全てを中途半端にして……兵士として役に立たず、騎士にもなれず……挙句の果てには……過信した力で、みんなを死なせた!!」
『ドッ!!』
「……っ!?」
体勢が後ろに下がった所で、彼は自分の体を少し後ろに引く事で隙間を作り、剣を肩に抱えるように持つと、そのまま木剣の柄の部分で鎖骨を殴った。
『ドゴッ!!カランンッ!!』
「勝負あり!!」
殴られた事で、バランスを崩して床に倒れると、睨み合った先生が真っ先に戦いの終わりを告げ、
「身の程を知ったか!!さっさと整列しろ!!」
まるで自分が勝ったかのように、声を張り上げて……
「待ちなさい!!!!まだ終わって無いでしょ!!!!」
張り上げた先生よりも、初老の男性……学園長が大きな声を張り上げる。
音が爆発したかのような大声に、その場にいる全員が、体を震わせて学園長の方に視線を向ける。
「私怨を混ぜるのは止めなさい!!確かに彼は床に倒れましたが、剣はどうですか!?」
「それは……」
学園長の言う通り、少年は木剣を持っているが、相手の木剣は床を転がって、少し離れた所にあった。
「……双方、見事な動きです。あなた達の太刀筋は、大人のそれに引けを取るものではありません。それに目を見張ったのは、体を押し後にすぐに引く事で隙間を作り、コンパクトに持った木剣の柄で突くという技……そうとうに鍛錬を積んでいるの感じさせてくれました」
学園長はまず、相手の方に目を合わせると、チャンスを生かした素早い技に称賛を送り、
「普通ならそれで終わりです。君の腕なら、倒れた相手を簡単に処す事は出来るでしょうが……相手は、一筋縄ではいかないですね」
次には、自分の方に目線を送る。




