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思惑

「だったら何を!!」



「いや……平民の役目である、兵士の本分を忘れた大バカ者かと思っただけさ」



「なんだと!?」



まるで取り留めようの無い話に、何を言いたいのかとイラついたのに、そこから更にイラつかされる。



「なぁ、なんで最初にお前達が走らされるか知っているか?」



「そんなの、お前達が負けないようにする為だろ!!」



「良い答えだ……けれどそれだと足りないっな!!」



「ちっ…!!」



『ガギッ!!ゴッ!!ガッ!!』



ずっと引っ付いていると、周りから引き離されるかもしれないので、少し動きを作る為に距離を離して、目にも止まらない速さで木剣をぶつけ合ってから、再びぶつかり合って硬直する。



「何が足りないって言うんだ!!」



「なにさ…言い方を変えるだけさ、君達を負かせてあげているんだ!!」



『ガリィ!!』



押し合う二人の木剣が、強く擦れて削れる音が鳴る。



「どういう意味だ!!」



「学園長も仰っていたが、こんなのはただの懇親会なんだよ。騎士と兵士となれば、明確に腕の差が出るが、入学したての騎士候補生と兵士見習いでは、そこまで差は出ない……そうだろ?」



「それは……」



それは事実だった。



みんなが戦っているのを見た時に思ったのが、走らされていなければ、何人かは勝ち筋があった。



向こうの学生達に感じたのは、確かに剣の技術はある……しかし、体が弱い。



それは貧弱というのではなく、こっちの、走った後で疲労しているこっち側の学生と、ぶつかり合ったら互角なのだ。



それ故に、懇親会で戦った者の中には、剣の技術が未熟な者もいて、体力と体幹で押し切れそうな相手もいて、



「場合によっては平民でも勝てるだろうな」



「だから、負けるように仕組んでいるんだろ!?」



普通に考えれば、騎士候補生の彼等が、兵士見習いに負けないようにしていると思うだろう。

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