剣撃
『ガキィ!!ガッ!!ゴッ!!ゴガッ!!』
自ら鳴らした戦いの合図を皮切りに、二人の木剣がぶつかり合う。
ぶつかる毎に激しい音を鳴らす剣撃、その音に全ての学生達は息を飲むが、
「やるじゃないか!‼平民とはとても思えないな!!」
「こんなお遊びで粋がるな!!」
二人にとってはどうという事の無い、他愛の無い小手調べ。
縦に横にと激しく動く木剣。
その動きに追い付けずに弾き返せなければ、骨が折れるのではないかという勢いで叩かれる事になるが、逆を言えば、動きに付いて弾き返すだけの話。
単純明快な話で、つまらないミスをしなければ良いだけの話……なのだが、
『ガキィ!!ガッ!!ゴッ!!ゴガッ!!』
二人の木剣の速さは、周囲を驚嘆させるほどのもの。
並の腕なら、弾き返すとかを考える前に一刀両断されて話が終わってしまうが、二人の話は続く。
『ガキィ!!ガッ!!ゴッ!!ゴガッ!!』
一撃で致命傷を与える剣撃をぶつけ合い、楽器を鳴らすかのように音を奏でていたが、
「これならどうだ!!」
突然リズムを崩して、体を突っ込ませて来る。
「その程度!!」
木剣と木剣がぶつかり合う所で、体を押し込んで来たが、こっちはその場で足を踏ん張らせて、衝撃に耐える。
二人は、体を重ねるかのように肉薄し、互いの息が肌に触れ合う程の鍔迫り合いとなると、
「お前は、騎士になりたいのか?」
小さな声で囁いて来る。
「なんのつもりだ……取引でもしたいのか?わざと負けろと」
囁く声に、怒気を含んだ小さな声で返すが、
「まさか…お前の実力なら、勝手に騎士になるだろうさ」
相手は笑って返す。




