懇親会
みんなと同じ部屋にいるというのに、一人だけ話の置いてけぼりを喰らってしまう。
「一番最初に来た者から前に出ろ!!」
「「はい!!」」
先生からの指示にこちらからと、向こうから一人ずつの学生が防具を取りに行く。
革製の茶色い防具。
それを頭に肩に腕に胸にと体中に身に纏い、防具を身に纏い終えると、木で出来た剣を手にして白線の中で立ち止まると、
「やることは分かっているな!?」
「「はい!!」」
「始め!!」
剣を持った者同士が、距離を詰める。
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『カァンン!!』
木剣がぶつかり合うと、甲高い音が部屋の中で響く。
『カッカンカァン!!!!』
自分の身を守る為に剣を振り、相手の体に剣をぶつける為に舞う。
(……がんばれ)
この試合が終われば、もう自分の番だというのに、心の準備をするのではなく、前で戦っている者を応援している。
今までの懇親会をした者達は、全員負けて自分の横へと並んでいる。
決して弱かった等とは言わない、どれも良い試合だった……それは贔屓目とかではない、
『ガッガギィ!!』
目の前で行われている懇親会同様に良い試合だった。
『ガッ…ガッ…!!!!』
鍔迫り合いだ。
お互いの体を密着させるように剣をぶつけ合う、まるで、縄張り争いで角をぶつけ合う動物のように。
互いに硬直している状況ではあるが、
(冷静に戦うんだ……)
少年の目から見て不利なのは、こちらの学生の方であった。
体格もほぼ一緒、立ち位置も、体勢も一緒……しかし、確固たる違いがあって……
『バッ!!』
「ぐぅ!?」
向こう側の学生は、こちら側の学生が押し込んだタイミングで後ろに身を下げて、バランスを崩させるとそのまま腕を叩いた。
腕を叩かれた学生は、身をその場で回して二撃目に対して防御の態勢を取るが、
『ダガンッ!!』
向こう側の学生に体ごとぶつかられてしまうと、そのまま床に叩き付けられてしまった。




