懇親会の始まり
(聖女…聖女……)
どこかで聞いたような…どこかに引っ掛かるような…知らない訳では無い……知っている……でも、それが何処だったかが思い出せない。
「町でも村でも、役場に行けば私達の自画像があるので、名前だけでなく顔も知っているでしょう」
(そっか…そういえば、そうだ)
おじいちゃん達に連れられて出掛けた時、確かに、その自画像を見た思い出がある。
その時は、役場を彩る為の絵としか思わず、気にも留めていなかった。
記憶に無いはずなのに、思い出せそうな違和感もこれにて解決し、セルロスの挨拶が終わった所で、
「それでは先生方、準備をお願い致します」
広い部屋の中心に立っている初老の男性の掛け声と共に、自分達の事をここまで連れて来た女性、それと受付で対応してくれた男性、後は初めて見る顔の男性二人が、長方形に引かれている白線の四隅に立つ。
(なにを……?)
それが一体何のか分からず、ついつい首を横にして、周りの様子を窺うと、みんな固唾を呑んで体を硬直させている。
「良いですか、これは懇親会です。これで勝ったから、負けたからといって成績に響く事はありません。この国を護る同士、楽しんで下さい」
初老の男性は、言いたい事を言い切ると、そのままセルロス達が座っている方へと行ってしまう。
何が成績に響かないで、何を楽しめば良いのかチンプンカンプンのままでいたが、
「それではこれから模擬戦を行う!!そこにある木剣と防具を纏って、順番に前に出ろ!!」
「「「はい!!!!」」」
「へっ!?」
広い部屋とはいえ、多くの学生達が大声で叫ぶように声を発するものだから、ビックリして変な声を出してしまうが、そんな変な声を出したにも関わらずに、誰も相手にしない。




