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聖女

(何をされるのさ……)



田舎育ち所か、森の中育ちの自分には、初耳に寝耳に水で戸惑いしか無いのに、こんな重苦しい空気では、聞こうにも聞けない。



覚悟極まるみんなの中で、たった一人、話に追い付けずに遠い目をしていると、女性と目が合い、少しだけ見つめ合ったが、目線を逸らされて、



「ここで起きる事は、とても屈辱的な事になる……が、それを受け入れてこそ良い兵士になれる……良い兵士になりたい者は耐えろ」



その言葉を最後に、みんなの前から扉の方へと移動して、扉を開けて中に入って行く。



それに続いて、一列を崩さずに次々と中へと入って行き、ついに自分も扉の向こうへと入り込むと、



(ここは……)



中は広い、がらんどうな空間が広がっている。



広い、広いだけの部屋。



あるのは……いや、居るのは、自分達と同じように反対側に並ばされている学生と、



「諸君、ようこそ我が学園へ。君達には、騎士としての道、兵士としての道と別れてはいるが、願うべき事は同じ、この国、クロムセレンを護り、発展させる事である」



パッと見だが、50歳位の初老の男性が、この広い部屋の中心に立っている。



「そこで、今日は君達に親睦会として、互いの腕を競い合い、我々に見せて欲しい」



(我々に…あっ……)



初老の男性が、手を差し向けたの方を見ると、そこには数人の人がいて、その中には、あの馬車の中であった女性の人がいた。



初老の男性の促されて、順番に自己紹介と短い挨拶をしていき、馬車の中であった女性の人の順番が来る。



「みなさん、初めまして……と言っても、この学園に来る以上は、私の事を知らないという人はいないでしょう。聖女、セルロスと申します」



「聖女…?」



あの馬車に乗せてくれた女性は、自分の名前を名乗るだけでなく、自分の事を聖女と呼ぶ。

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