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学園という名の巣

肩で息をしながら、顔から垂れる汗が首筋を伝うのを(ぬぐ)おうともせずに、整列する。



一人、一人順番に並んで行き、最後の者が並び終えると、一番最後に並んだ者を指差し、



「お前が先頭だ!!これから学園内に入るが、決して離れるな!!」



水浴びする時間も、着替えをする時間も与えられずに、歩かされる。



一列になってゾロゾロと、ムカデの様に連なって歩く。



(あぁ…あそこが入り口かぁ)



あの時、学生寮の前に並ばされた時から、学園の裏口は見えていた。



そこが入り口だと、庶民の自分達が、正門脇の入り口で受付をさせられた所から異変を察していれば、シゴキに気付いて、体力を温存出来たかもしれないが、そんなのは後の祭り。



(見られてる?)



みんなが前の人に付いて行くのに精一杯になっている時に、一人、キョロキョロと学園を見渡してみると窓際に人影が見える。



こちらを観察し、こちらを見て笑い合いながら話をしている。



まるで、商品棚に陳列されいる物を、品定めしているかのような……その上で何か見下しているかのような……



(気分が悪いな……)



野盗が(さら)った女性を品定めしているのを、見た時のような雰囲気を感じてしまう。



「学園か……」



最初は(きら)びやかな建物に、胸が(おど)るものがあったが、今は野盗の寝床か、魔虫の巣に入り込む時のように、気を張っている自分がいる。

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