表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/86

二人きりの時間

もちろん、これだけでその後の人生が決まるという訳では無いが、指針としては役に立つ。



途中から、女性の背中を追えなくなった学生達は、今頃『ヒィヒィ』息を切らしながら、こっちにやって来ているはず。



さすがに、この程度で音を上げて逃げ出す者はいない。



「さてと……お前は、一体どんな鍛錬を積んで来たんだ?」



いつもなら、少しばかりの時間で、誰が一番に来るのを待つのだが、



「あっ…その……大した事はしてないはず何ですが……」



今日は、二番目に誰が来るのかを待ちながら、背中にピッタリとくっついて来た、子供と会話する時間となる。



________



(そう言われてもなぁ……)



少年が、女性に追い付く事が出来たのは風の力を使っていたから……ではない、単純に身体能力の高さで引っ付いていたに過ぎない。



(聞きたいのはこっちなんだけど……)



こんな事を言うのは酷いが……あれが本気だとしたら、とてもじゃないが、外の世界では生きられない。



魔虫は仕方無いにしても、同じ人間同士でこれは……野盗を処理する度に思うのが、彼等は決して劣った存在ではない。



住む場所を無くし、行く当てもなく、生きる為には誰かの「生きる」を奪わないといけない存在。



それは、もう知性を持った獣。



獲物を追い立て、罠におびき寄せ、統制の取れた動きで、無尽蔵では無いかのかと思う体力で、的確に殺そうとしてくる。



少年でも、野盗を処理する時は必ず風の力を使うというのに、風の力を持たない彼等が、この(てい)たらくでは……



「……一応確認しますが、彼等は、あれで精一杯何ですか?」



「あの「ヒィヒィ」言いながら、走っていた姿が、手抜きに見えたか?」



「いえ……」



あの必死になっている姿は到底、演技とは思えないし、学生寮の前での気概から感じるに嘘では無いはず。



「……そのですね」



おじいちゃん達からは、自分は普通の人よりも優れた体を持っているとは言われていた。



それこそ、人目に付きそうな所で本気で動く時は、姿を隠しなさいと言われるほどに。



でもそれは、おじいちゃん達が少し大げさに言っていると思っていたけど……本当の事を言える訳も無く、門の所で話をした「何でも屋のおじいさん」の孫で、ずっと町外れの山奥で住んでいた事を話す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ