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息苦しい場所

天井が壊れていて、壁に穴が空いていて、窓が割れていて……それは、正直に言えば我慢出来る……出来るのだが、



(こんな…魔虫の卵じゃないんだから……)



洞窟の中に住み付いた魔虫が、所狭しと卵をびっしりと植え付けているかのような詰め方に、反吐(へど)が出そうになる。



所々に穴が空いていて、風通りはバカみたいに良いはずなのに、胸に嫌悪感が溜まる。



荷物を置いて、さっさと外に出ようと空いている場所を探すと、一番奥の角が空いていた。



場所的には、片側に人がいないという、少しはプライベートが確保される良い場所なのに、誰もそこを取らない理由が、入り口から見ただけで分かる。



他の所の壁や天井は、所々で穴が空いている状態であるが、そこの角っこは、人が出入りする事が出来る程の大穴が壁に空いていて、天井に至っては、屋根が崩れたのか存在しないという有様。



そんな野晒しの状態では、どんなに場所が良くても、普通なら、そこを取ろうとしないだろうが、



(……あそこにしよう)



それでも、その野晒しの場所を選ぶ事にする。



早足で角っこの場所に行って、ベッドに荷物を放り出すと、そのまま大穴が空いている壁から外へと出てしまう。



「……ひどいな」



自分の目の前にある学生寮というのがボロボロで、とんでもない場所だというのは我慢出来る……それは、さっきも思った事だけど、あえてもう一度思う……それでも我慢出来ずに、口から「ひどい」と漏らしてしまったのは、



「あんな綺麗な建物があるのに、なんでここは、ボロボロのままなんだ」



先の方にある、あの立派な建物のせいだ。



壁を伝うように、ここまで来たのだから分かっている。



向こうにある建物には、穴も無ければ崩落している所も無く、窓も綺麗に磨かれていて……その上、綺麗な白いペンキで塗装がされている。



そんなのを見せられて、ここに住むのは……



「そこの君、気分でも悪いのかい?」



「あっ…あなたは……」



愚痴を溢そうとしていた所で、受付をしていた女性がこちらに来ていた。

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