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学生寮

自分の横の建物に、住む場所があるのかと思っていたが、別に住まう場所があるというのなら、それも有難(ありがた)い話。



唯一、気になる事があるとすれば、学生寮と言われる建物が、敷地の奥の奥の奥の方にあるから、利便性が悪そうな事くらい。



「まっ、それでも森の中と比べたらいけないよね」



森の中の山小屋は、利便性が悪いという話では無い。



町や村に行こうとすれば、自分は風の力を使えるから良いが、おじいちゃんとおばあちゃんは早朝から出掛けて、帰って来る時は夜道は危ないから一泊して、早朝に帰って来ないといけない。



それと比べれば、奥の奥の奥の方にある学生寮に行く等、容易(たやす)い事。



これから住まう所がどんな所なのかと、ウキウキしながら歩いて学生寮の前に来たのだが、



「これが…学生寮か……」



辿り着いた学生寮を前にして、言葉が詰まってしまう。



遠目から見た時には、自分の家の山小屋を大きくしたかのような木製の所だなと思い、実際に目の前にした学生寮は大きな山小屋のようで圧巻なのだが、



「ずいぶんと…ボロボロだなぁ……」



壁のあちらこちらには穴が空き、寮の横には崩れた屋根がまとめられて置いてあり、極めつけは、学生寮の名前が書かれている看板が折れている事。



街も学園も立派だというのに、この寮だけボロボロ。



「とりあえず中に入ろう」



このボロボロの寮を何とかしないとと思いながらも、まずは、自分の住む場所を調べなきゃと中に入ると、



「…………」



中に入ったら入ったで、中々の状況であった。



受付で言われた通り、ベッドと机とタンスがある……あるのだが、ベッドと机とタンスというワンセットが壁の左右に配置されて、同じ配列で奥に続いている。



すし詰めの状態で、詰め込まれている生活スペースに絶句してしまうが、先に来ている者達は文句の一つも言わずに、与えられたスペースにいる。

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