話をしよう
噂では凄腕の兵士とか、代々続く道場の師範代だったとか、町が魔中に滅ぼされた後に、傭兵となって各地点々としたり、森の中でひっそりと暮らしているとか……まぁ、噂の種が尽きない人物。
「でしたら……」
「そうだね。君の言う事を私が担保してあげたいという気持ちはある……」
町に「何でも屋のおじいさん」が来るなんて、そんな事を知っているのは、町の人物くらいなものあるが……実は町長から雑談で、ある話を聞かされていた。
仕事の依頼をした時に、何でも屋のおじいさんにが珍しく身の上話をして、その話の中で孫がいて、その子をどうにか街の学園に通わせてたいという相談をされたと。
(だとしたら、あの後のはず……)
その時は、まだ珍しい相談をされたという話で終わってしまったが、何でも屋のおじいさんが依頼を達成した報酬に、町長が村の身元保証書を出してあげたのかもしれない。
「君が「何でも屋のおじいさん」の孫なら、確かに秘密を喋るのは良くない事だ……だったらこうしよう、私が幾つか話をするから頷きなさない、そして首を横に振りなさい」
「えっ…でも……」
「君は秘密を喋らない、私の話に相槌を打つだけだ。さぁ始めるよ」
「……はい」
そして、少年にいくつかの話をしていく。
実際に、何でも屋のおじいさんに頼んだ話を混ぜて、薪を用意して欲しいという依頼、ハチミツの採取、獣肉と魚の確保、建物の修繕に使う材料……色々な依頼した話をするが、少年はどれも首を横に振る。
子供が首を横に振るように、どれも町長がお願いした依頼ではなく、町のみんながお願いして来た依頼、ここまでは、子供は正解を導き出して来たのだが、
「町の近くに住みついている野盗を退治して欲しい」
この質問で、初めて子供の首が動かなかった。




