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風は舞う

両親が、この世にいないと聞かされた時に思った、もしも、今の自分がその時にいたのなら……赤ん坊の自分じゃなければ、助けられたのではと時々思っている。



けれどそれは、無力で戦えない時の話だと十分に理解している。



助けられたのではないかと、眠る時に頭をよぎる時があるが、それはどうしようも出来ない話だと割り切って、眠りの底に付ける。



しかし、これがおじいちゃん達だったら……



今の力ある自分が救えない、それもいる場所が違うという理由だけで……もしもそんな事になれば毎晩、頭を床に叩き付けて、死ぬまで後悔して、二度と安息の元に眠る事は出来ない。



「もしも…お前がいない時にワシらが死んだのなら、それも導きなのかもしれない」



「そんなのに導き何て無いよ!!」



「いや、ある」



「どんな理由があるんだよ!!」



「それは、お前という世界を羽ばたく者の足枷(あしかせ)になった罰だ」



死を受け入れる様な発言に、語気を強めて言葉を返したが、おじいちゃんは動じない。



「お前を学園に行かせるのは、親から託されたからとか、普通の子供達のように生きて欲しいとかでは無い……お前は羽ばたく運命にある。それも誰よりも高く飛び上がり、誰もが触れる事が出来な場所に、触れる事が出来る」



「そんなのは……」



「お前の運命を押さえ付ければ、きっとその反動が来てしまう……なに、心配する事は無い。運命はお前の味方だ、羽ばたきなさい」



「…………うん」



おじいちゃんの言いたい事は分かった気はする。



後ろ髪を引かれておじいちゃん達を心配していたら、何も出来なくなってしまうということ。



そんなにおじいちゃん達を心配して巣立たなければ、いつの日かおじいちゃん達が死ぬ事によって、無理矢理羽ばたかないといけない日が訪れると。



「行くよ…おじいちゃん」



「今の、お前の力を見せておくれ」



少年は足に力を込めると走り出して、一気に跳び上がる。



別れの餞別(せんべつ)に、運命に飛び立つ力を感じさせてあげる。

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