表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/86

魔虫からの生還

横転した馬車から引っ張り出されて、初めて周りの光景を生で見る。



魔虫によって捕食されて息絶えている馬、マントを羽織った者にバラバラにされた魔虫。



(優しいものだな……)



魔虫に捕食されて息絶えている馬の首には、かまで裂かれたかのようなパックリと開いた傷がある。



それは魔虫に首を食い破られて、死ぬのは間違い無いのだが、即死が出来ずに苦しんでいたのを介錯かいしゃくした痕。



それにバラバラにされた魔虫だが、こちらは腹だけは傷付けないように残されている。



まるで、朝顔のつぼみの様にぷっくりとした魔虫の腹。



あの中には捕食された馬の一部と、捕食された人間の肉片がある。



残された光景からも、あの子が思慮深いというのは十分に分かる。



「お加減が悪いのでしょうか?」



「犠牲を出してしまったのを悔やんでる」



あの子の事を言うつもりは無い以上、適当な事を言って話をはぐらかそうとしたのだが、



「申し訳ございません!!街道の見回りは間違いなく行っていたのですが、見落としをしてしまいました!!」



何気無く言った言葉が、嫌味になってしまった。



「すまない。そんなつもりは無かったんだ。君達が急いで来てくれたのは分かっているし、いくら巡回をしていても、魔虫が来る時は来てしまう。今回は運が無かったな」



「お心遣い、感謝致します!!」



騎士である彼の立場を重んじて、街道に魔虫がいた事を攻め立てるつもりは無い。



今回の件は騎士団の不徳からではなく、偶発的な出来事だったと、それで済ましてとがめずに終わらせると遠回しに伝える。



「大変恐縮ですが、こちらの馬に」



「うむ、助かる……そうだ、あの魔虫の腹には、私の御者が眠っている。連れ帰って欲しい」



「かしこまりました。後から調査隊が来ますので、その者達に」



「頼む」



「それでは……副隊はこのまま調査隊と合流!!本隊はトルート様を護衛する!!」



「了解!!」



トルートを乗せた馬が歩き出すと、騎士団も並走して街へと向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ