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君を知りたくて

人間とエルフは敵対している。



今でこそ魔虫がいるから一時休戦的な形で争いが止まっているが、もしも、魔虫がいなければ、土地を争った戦いが、あちらこちらで起きていてもおかしくない。



特別な理由が無い限り、エルフがわざわざ魔法を使って人間を助ける等ありえない。



「助けたら……迷惑でした?」



「いや…そんな事は無い、君がいてくれなかったら私は死んで、向こうで家族に会っていたよ」



「向こうで……御家族は?」



「あぁ、娘と婿むこが向こうで待っている……が妻と孫娘がいるから、まだ生きたいと思っていた」



「そうですか……僕も、父と母は亡くなっています」



「そうか……私達は似た者同士という訳だ……それだと、育ての親はおじさんとおばあさんかい?」



老人は、自分の事を助けてくれマントを羽織った者となごやかに話し、慌てふためいる心臓をなだめようとしているように見えるが、



(この子…少しおかしいな)



内心では言葉に奇妙な引っ掛かりを感じて、それを探り出そうとしている。



今の会話で気になったのは「僕も」と言って、こちらの境遇きょうぐうを重ねた事だ。



人間とエルフは敵対をしているのもそうだが、そもそもで言えば種族が違う。



種族が違う物が、死ぬ事に何かを思う事等無い。



それこそ、道端でウサギや鹿が悲鳴を上げながら、魔虫に捕食されていたとしても、命を掛けて助けようとは思わない。



人間とエルフというの関係は、それほどまでに冷え切っている。



「なら質問を変えよう。君は人間で、エルフの秘石を持っているのかい

?」



魔法を使えるのは世界からマナを蓄える事が出来るエルフの特権なのだが、それでも、一部の人間は魔法が使える。



その方法とは、エルフの心臓を抜き取る事。



エルフの肉体は寿命が来ると、肉体がちるのだが、心臓だけは結晶化する。



その結晶は本来なら一族の宝となり、エルフの一族の繁栄の為に使われるのだが……これも、人間とエルフの仲が悪い原因の一つなのだが、その結晶があれば、人間でも魔法が使えるようになる。

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