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風が吹いたあと

マントを羽織った者から、馬車の中にいてと言われたが、どうしても見たい事があった。



もう一匹の魔虫の方が、どうなるのかを見届けようと、馬車の後ろ窓の方に移動すると、



『ピュッゥピュッゥピュッゥピュッゥピュッゥピュッゥピュゥン!!!!!!!!!!』



先程よりも風が上機嫌に口笛を吹くと、魔虫は反撃一つすることなく、切り刻まれて死んだ。



(本当に良かった…い心を持つ者で……)



このマントを羽織った者は、やろうと思えば離れた所からでも、一方的に魔虫を殺す事が出来た。



しかし、それをしなかったのは、馬車の中にいる自分に万が一でも怪我をさせないように心遣こころづかいをしてくれたのだ。



少し前まで魔虫に殺されると覚悟を決めていたのに、たったの数秒という時で全てがくつがえった。



老人は、自分が生き長らえる事が出来たと実感した途端に、剣を握っていた手から力が抜けて、剣が落ちた。



極度に削られた精神と、極限までに動かした体の気が抜ける。



老人は、馬車の壁に背中を擦り付けるように預けるとそのままへたり込んでしまい、



「本当に大丈夫ですか!?」



「驚かせてすまないね……老人の心臓には、ちょっと刺激が強過ぎた」



その様子を見ていた、マントを羽織った者が心配して声を掛けてくれる。



「待ってて下さい!!人を呼んで来ます!!」



「その前に、ちょっと話をさせてくれないかね?」



「でも……」



「心臓が落ち着くまでの、少しだけでもダメかね?」



魔虫に襲われるというのは刺激が強くて、しゃがみ込んでしまったのは事実で、助けを呼んで来てくれるというのは有難い話なのだが、



「何でエルフの君が、私を助けてくれたのだい?」



その事は、ハッキリとさせないといけない事であった。

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