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やさしき風

両腕のカマを落とされ、羽を切り落とされた魔虫は後ろにる。



ヨタヨタと足をバタつかせて、自分の事を襲った相手と距離を取る。



何をされたのか分からず、分かるのは自分の体の一部が切り裂かれた事。



大きな体を揺らし、残された獲物を喰らう大きな口を開いて、近付けば嚙み殺すと威嚇するが、その腰はへっぴり腰になっている。



どれだけ威勢を張ろうとも、どれだけ大きな体を見せ付けようとも、どれだけ大きな口を見せようとも、腰が後ろにっていては、それは自分が恐怖におちいってる事を教えていてる。



マントを被って姿を隠している者には、そんなへっぴり腰になっている魔虫の威嚇等に恐れる事等無い。



足を止める事も無ければ、回り込む事もせずに、ただ真っ直ぐに突っ込む。



一切の恐れを覚えずに突っ込んで来る者に、魔虫の恐怖は限界を超えると、仰け反っていた腰が弓の様に跳ねて、頭が矢のように前に飛び出して、大きな口が飛び出すが、



『ピュゥン!!』



風が鳴いた音が聞こえると、魔虫の首が刎ね飛ばされる。



『ピュッゥピュッゥピュッゥピュゥン!!』



そして続け様に風が鳴くと、魔虫の頭が斜めに切れて、魔中の体がズタズタに引き裂かれる。



一方的な暴力。



それは魔虫が人間を捕食するかのような、圧倒的な力の差。



言葉で表現する事も無い、互角の戦いをして、白熱する戦いをしていないのだから。



マントを羽織った者は、ズタズタにした魔虫を気に留める事無く、自分が身を隠している馬車の方へと近寄ると、



「大丈夫ですか!?」



一番聞きたかった言葉を掛けてくれる。



敵も味方かも分からない謎の存在、下手をすれば皆殺しにするという危険な思想を持っていたかもしれないが、



「あぁ、おかげさまで無事だよ」



どうやら、マントを羽織った者は善意で人助けをする人物らしい。



マントを羽織った者は、横倒しになっている馬車に近付いて、こちらの安否を確認すると、



「良かった……もう少し、ここにいて下さい。もう一匹も始末しますから」



軽やかに地面を蹴ると、馬車の上に飛び乗るのであった。

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