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前編

 政治家によるパーティ券キックバック問題が明るみに出てから、世論は一気に政治不信へと進んだようです。

 岸田政権の支持率は低迷し、自民党の支持率も低迷しています。

 とても、圧倒的な議席を誇る与党とは思えないぐらいの、驚くほどの凋落ぶりです。


 とは言え、かつて魔の三回生問題がクローズアップされたように、悪夢の民主党との印象操作が功を奏し、しかも旧民主党の自壊と相俟って、なんだかんだ言っても自民党の天下が続きました。


 さながら、平家に非ずんば人に非ずとでもいうように、政治家のポスターにはでかでかと自民党と表記されていました。


 2009年頃なんかは、自民党と言う文字を小さく表記していたのに。


 そうは言うものの、2012年以降の国政選挙では連戦連勝であり、そんな中で野党は離合集散を繰り返しました。


 野党第一党が、実質的に存在しない状態になりました。


 その結果、自民党には敵らしい敵が、存在しなくなったと言えます。


 こうなると人は堕落するものであり、いくら勝って兜の緒を締めろと言われても、堕落するのはむしろ自然ではないだろうか?


 自民党はまるで永世与党のような感じであり、その分、好き勝手やりました。


 前代未聞の憲法の拡大解釈ならぬ、集団的自衛権の縮小解釈という離れ業が出来たのも、圧倒的な強さを見せる安倍政権ならではでないだろうか?

 

 それでも野党が大同団結して自民党に対抗しているのなら、まだいくらか緊張状態になるでしょうけど、野党同士で対立し、しかも自民党がそこに手を突っ込み、揮発油税とか万博とかを巧みに使って分断を図りました。


 それが功を奏し、野党同士での対立も深刻になりました。


 もはや、我が世の春という状況になりました。


 そこで問題になったのが、今回クローズアップされたパーティ券キックバック問題、いわゆる裏金問題になります。


 特にインボイス制度が始まることにより納税コストが増大し、しかも国民負担率がついに5割に届こうとしていた、そんな時期に明らかになった問題です。


 とはいうモノの政治活動では表に出せないカネがあり、そこをうまく使うことで国の安全を担保します。


 特に情報は重要であり、そこに使うカネは表には出しにくいのが通常です。


 しかし、それをやっているのは恐らくは少数で、実際は選挙対策に使っていると思われます。


 だって、本当に情報にカネを使っているのなら、トランプ候補陣営はもちろん、ヘイリー候補陣営にも手を突っ込んでいるはずですから。


 しかし、過去の資料を読む限り、日本は情報戦では常に後手後手に回っており、おまけに日本人以外は皆知っているという、恥ずかしい事態に直面することもありました。


 機密保護法などで日本人が知らなくても、外国勢力には筒抜けだったなんてことは、よくある話でした。


 日本人が知らなくても、旧ソ連が知っていたなんて話は、ちょっと洒落になりませんでした。


 有名なのはゾルゲ事件でしたが、戦後は戦後で、様々な情報が東側に抜かれていたことが、旧ソ連崩壊で明らかになりました。


 他にも、日本の権益が中国に渡された事例もあり、その話しは日本にはぎりぎりまで伝えられませんでした。


 日本は米国などからサードパーティ扱いされているので、日本には決定したことをただ伝える、もしくは終わってから伝えられると言ったこともあるそうです。


 日本もなんとかその仲間入りをしないと生き残れないということで、安保法制や特定機密保護法、ついで経済安全保障などを推進してきましたが、スパイ防止法はまだ制定されていません。

 日本は、信用されていません。


 日本はまだまだ、スパイ天国と言われているからです。


 まあ、政治家の口が軽いのも問題なんでしょうけど。


 そんな国なのだから、政治家たちは自己保身以外に関心は無いんでしょう。


 2023年11月に開催されたのが、このいかがわしいパーティのようですが、新聞赤旗がパーティ券キックバック問題を報道してから一年経過していたのだから、もう大したことはないとでも思ったのだろうか?

 

 笑えないのが、こんな時期なのに外国人ダンサーを呼んでパーティを開く厚顔無恥さであり、しかもそのダンサーに政治家が口移しでチップを渡すなんて、とても多様性云々を語る資格があるとは思えませんでした。


 まあ、パーティは開くなとは言いませんが、チップはもっとスマートに渡してほしいモノだと思いましたけど。

 

 とは言え、こういった催しに対して誰も異議を唱えないのも、ちょっと気持ち悪いと思いました。


 だけど、それが権力と言うものであり、そうなるのが普通なんでしょう。


 そうならない為にあるのが、選挙であり、民主主義です。


 だけど、日本は五十五年体制以降、ほぼ自民党が与党として君臨しており、しかも旧ソ連崩壊に北朝鮮による拉致問題が明らかになってから、日本社会党は立場を失い、しかも野合と言われた自民党との連立政権入りをしてから一気に崩壊しました。


 それでも旧民主党による、いつでも政権交代を伺う体制がありましたが、旧民主党内で様々な不祥事が発生したことで政権奪取は出来ませんでした。


 それでも消えた年金問題によって、民主党連立政権が出来ましたが、権力を握ると驕るモノで、都政県内で足の引っ張り合いが起こり、鳩山政権、菅政権が崩壊し、野田政権が行った選挙で与党民主党はありえないぐらいの大敗を喫しました。 


 それ以降、民主党の復活はなく、互いにまるで学生運動のような内ゲバ闘争に明け暮れました。


 自民党はそれをあざ笑うがごとく、連戦連勝を重ねました。


 そして今、コロナショックによりあれだけ強かった安倍政権は崩壊し、菅義偉政権も一年で退陣し、今の岸田政権になりました。


 普通なら緊張感を持つものですが、強い重しが無くなると途端に緩むモノなんでしょう。


 まるで2009年政権交代前夜のような、そんな状況が出来つつあります。


 自民党が揮発油税問題で国民民主党を切り捨てたことが、後々にボディブローのように効いてくる可能性もありますし、日本維新の会も攻勢を強めています。


 どうしてこうなったのか?


 圧倒的議席を保有する自民党が、まるで弱小与党のような状態になっているようですが、それでも数では圧倒しているゆえに、なんだかんだ言っても議会運営はなんとかうまくいっています。


  

 問題はこれからでありますが、本書はその自民党の行方とかを論じる為ではなく、そもそも権力が何故腐敗するのか、防ぐ手立ては無いのか?


 

 それを論じようと思います。

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