雪
ふわりふわふわ
冷たき白いものが
大空から降る
しんしんと
音もなく降ってくる
雪
手のひらを返し
大空に仰向ける
ふわりふわふわ
ふわり…
私の手のひらに
ふわりとした白いものが
降り落ちてきた
冷たくて
可愛らしくて
美しくて
どこか…儚げで
雪は私の手のひらの上で
じわり…
程なくして
透明な水に変わった
私の手のひらの上に
雪の面影など
もう何処にもない
そこには
雪の涙のような雫しかない
雪の雫が
私の手のひらから
手の甲につうっ…と零れていく
地上に降り注ぐ雪の中
私はひとり
銀世界の真ん中に佇み
雪降る大空を仰いでいる
雪が
私の目の下に降り落ちた
雪は程なくして雫に変わり
私の頬を伝っていった…