お母さんあったまいい!【20XX/07/24 ベルヒテスガーデン②】
空はいったん晴れかけたくせにまた降って来て、
道もよくわかんなくなっちゃったのでバスで駅に戻ることにした。
バス停探し出して時刻表見たらあと30分弱で来るはず。
だったけど来なかった。
30分ちょい前くらいに一台やってきたバスは
行き先表示見るになーんか違うぽかったのだが
念のために運転手さんに確認したら、行き先見ろよ。違うだろ。と
つめたくあしらわれてへこんだ。
しかもなんか前の席のおばちゃんも笑ってたし。
オレのこと笑ってんじゃないのかもだけど。
時刻表の時間30分を余裕で過ぎたとこで
ティーンエイジャーの女の子ふたりと
保護者的なおばちゃん(たぶんお母さん)が現れた。
ドイツ人かなー違うかなーわかんないけど
お母さんは英語喋れて女の子たちは違う言葉を喋ってた。
ベルヒテスガーデン駅行きのバスは来るのかと
お母さんに英語で聞かれたので、maybe、と答えて、その後
バス来ないねーとか寒いねーとか英語とジェスチャーと顔の表情で交わしつつ
ずーーーっと待った。すんげー来ないんですけど。
この親子以外にもバス停には何人も人が来て、
待ってたり去ったり椅子取られたり取り返したりした。
寒くて死にそうだった。夏なのに。前来たときはめっちゃめちゃ暑かったのに。
15時になっても来なかったら歩くぞ俺は
寒いのにこれ以上待ってられっか!つーか来るのかよマジで!と思ったところで
よーやくバス到着。でも時刻表にない時間に来てるんですけどこのバス。
駅に戻ってきたらトイレに行きたくなって、
駅の中のトイレまで行ったら(切符がなくても駅構内には立ち入り自由)
駅のトイレはおおかたの公衆トイレと同じで
チップ的な小銭が必要なトイレだった。
ドアノブのところにコイン投入口があって、10セント3枚ないと入れない。
しかも小銭持ってない。
しゃーねぇ両替行くかーと思ってふと見ると
さっきのお母さんと娘2人がいて、彼女たちも小銭がないらしかった。
おんなじように駅の窓口まで歩いてきたところで、
お母さんが待ちなさい、てジェスチャーして両替、
私が続いて両替しようとするのを止めて、一緒に来なさい、て感じで
トイレに連れ戻された。なんで??
で、彼女はコインを入れると私に入れと言ってくれて、
用を足して出てきたところでドアを掴んだ。閉まらないように。
そこで完全に納得。お母さんあったまいい!
ドア閉めちゃうとまたお金を入れなくては開かない。
彼女たちはドアを完全には閉めずに交代で用を足そうというわけだ。
頭を使わなくちゃね、とお母さんはこめかみを指でたたく仕草をした。
駅のロッカーから荷物を出して、ホテルに向けていざ出発。
駅のすぐ近くの坂道をのぼって行ったら
テーマパークみたいにかわいい家が立ち並んでる通りに出て、やる気出てきた。
アムステルダムとかみたいにメルヘンな町って感じ。
下の道路のところとは全然違う。
観光地だ。観光地だよココ。
田舎の町だと思ってたけどなんかこの一帯だけ雰囲気違う。
ホテルの人は気のよさそうな女の人で
名前言っただけで了解してくれてカギくれた。
人生で初めてマダームとか呼ばれた。
しかも部屋は安いのに広い。
バスルームが二つ目の部屋かってくらいすごく広い。
内容補足。
お母さんがしてくれた行動の意図を
本文のように当時の私は考えたわけですが
英語で説明されたわけでもなく(まぁ言われても理解できないと思う)
彼女たちが交代でドアを閉めないまま用を足している様子を
じっと観察し確認したわけではありません。(当たり前だけど。)
と、コンプライアンスにうるさい最近の風潮にのってみました。
このくそ寒い中、長時間一緒にバスを待った連帯感と或いは友情から、
お茶目なカタチで奢ってくれたのだと(トイレ代ですけどね。)
私は思ってます。