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風の吹くまま、気の向くまま。  作者: sugarpot
【のんびり京都篇 20XX/03/16-20XX/03/19】
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絡みづらくてすいません。【20XX/03/16 一乗寺-三条-東山】


一乗寺-京都駅間はむちゃくちゃ混んでて遠かった。帰りのバス車内爆睡。

京都駅に着いたら既に16時半近く、

お宿に遅くなりますーと電話を入れてコインロッカーの荷物回収、バスに乗った。

いつもならビジネスホテルに泊まるところだが今回はちょっと違う。

ちょっとわくわく。町屋に泊まるのだ。細長ーい造りの一軒家。

テレビで町屋なるものを見てからちょっと気になっていて、

でもテレビだからこそ住人さんも中を見せてくれるんであって

一般人じゃ外から狭い間口を見てこれがアレかーと思うくらいにしか

町屋は見れないだろうなーと思っていた。

ところが探すとちらほらある。

泊まれる町屋やらカフェだの洋服屋さんだのお店になってる町屋やら。

これはぜひ泊まりたい。と思って探し出したのが今回のお宿だった。

お風呂はなくて銭湯に行くらしいが

一軒家をまるまる提供してもらえて値段もお手ごろ、

仲居さんやら従業員さんやらが一切いなくてごはんは付かないが

冷蔵庫と電子レンジ付き。まるきり自分の家感覚。

これはとてものんびりできそうだ。と思った。


ちょっと迷ったが無事たどり着き、

オーナーさん(と呼ぶべきだろうか?)の奥さんが案内してくださったその場所は

果たしてすんごいフツーの家だった。並びにあるのもフツーの家。

ちょっと古くて細長くて

玄関から奥へ行った突き当りが坪庭(って言わないか? 壁に囲まれた庭)で、

坪庭の隅にトイレがある。

関係ないがあの坪庭ぐあいというか箱庭ぐあいな感じが

ちょっとパリで泊まったホテルぽかった。囲まれてるとこが。

ちっさい冷蔵庫があって古ーい電子レンジがあって湯沸かし機からはお湯が出て

こたつにテレビに半纏付き。素晴らしい。

銭湯の券ももらえて銭湯にもってく用の洗面器まである。

電気ポットもお茶っ葉もある。エクセレント。

初日特典の和菓子とお抹茶を用意してくださりつつ、

奥さんは簡単な使用上の注意と世間話をしてくださった。


「で、今日は何処へ行かれました?」

「えーーと、本屋さんに」

「‥‥へえ、本屋‥‥」


奥さんはリアクションに困ってるふうだった。

私が奥さんの立場でも困る。京都来てまず本屋かよ。


「で、何処に行かはるんですか?」

「えーーーと、特に決めてないんですけど」

「‥‥‥」


絡みづらくてすいません。わざとじゃないんですわざとじゃ。

伏見稲荷と天神さんは行ってみよ、

まぁガイドブック持ってきたし後は適当ーくらいにしか決めてなくて

行くとこなくなったら延々ウィンドウショッピングでもしようってくらい

目的がないだけで。


しかし奥さんはめげることなく、

それなら行くとこ今決めましょーの勢いで旅行の予定を立ててくださった。

今の時期は梅がいいから天神さんと御所の梅見て、

行ったことないなら大原行って、

あと今ちょうど東山花灯路やって夜間にライトアップとかしてるから花灯路ね。

てわけでスケジュール決定。

こういう行き当たりばったりと流され感は嫌いじゃない。

てか好きだ。私の人生そればっかり。

少なくとも今のところ、

私の人生をひとことであらわすとしたら「棚ボタ」だと思う。



花灯路は週末は混んでて、

下手するとお寺に入るのに2時間待ちとかになるというので

時間的にもちょうどいいし行くかと思って外に出たら

天気は小雨から土砂降りになっていた。えぇー。


でもまぁこの雨なら混んではいないだろうし、行くだけでも。と思って

祇園に出て八坂神社から清水方面に下り、

高台寺(それが奥さんオススメスポットだった)に行ったら小雨になった。

おぉラッキー。

夜の雰囲気って好きだ。「夜」っていう時間帯と暗さが好きだ。

ライトアップもかっこよかった。

石畳の道に灯路が置かれていて、良い感じに薄暗い。


帰ってきておべんと屋さんでおべんと買って帰って夜ごはん。

食べてから洗面器抱えてビニル傘さして銭湯行った。

銭湯は想像よりこぢんまりしていて、お客が3、4人しかいなかった。

広いお風呂場に3、4人。かぽーん。て感じ。

脱衣所にはテレビがあって、2時間サスペンスドラマ的なものが流れていた。

こういう言い方は変だけど日常ぽかった。旅行ぽくない。特別感はあるけど薄い。

いつもよりちょっと流れがゆるい、けど明日はまたフツーに始まる、

エアポケット的な日曜日の夜。


内容補足。

このお宿は、当時はお風呂ナシで近くの銭湯に行くスタイルでしたが、

十数年後に再び訪れた時にはなんとお風呂が完備され、

当時は上がれなかった2階も

ベッドルーム的な感じで上がれるようになってました。

私は「個室である」という以外に宿にこだわりがなく

安ければ安いほどいいと思うような人間ですが、

このお宿はまた行きたいです。いつか。

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