口で言って。【20XX/08/15 パリ④】
おなかいっぱいになったところで国立自然史博物館へ足を向ける。
降りたメトロの駅が悪かったのか、
いくつも分かれた道が全部同じ細さでフツーの路地っぽくて
看板は出てたもののちょっと迷う。
広ーい公園みたいな一角にいくつも展示館があって、
それを総称して自然史博物館というらしい(「地球の歩き方」の受け売り)。
目的は鉱物陳列館と進化大陳列館。
進化大陳列館はとにかくでかかった。
昔の教室とか昔の博物館とか古ーい温室みたい。
言葉分からんでも動物の剥製とかかっこいい。展示の仕方がかっこいい。
鉱物陳列館も古い理科準備室みたいで
木の床がぎしぎしいってとてもかっこよかった。
水晶とか孔雀石とかとにかく石がいっぱい。それだけでも満足。
それが古い硝子戸棚に入って並んでる光景といったらもう。かっこよすぎる。
ムフタール通りがパリっぽくていい、という話を聞いてたので、
更にムフタール通りに向かう。
観光客はけっこういた。けどおしゃれーという感じではなくて地元な感じ。
人が列をなしてるジェラード屋さん発見、ちょっと気になって並んでみる。
店員さんが3、4人いて、お客の注文をさばいていた。
が、いつものように指差し注文しようとすると、店員のおねーさんに
「口で言って。私のいうこと分かる? ねえ?」みたく怒られる。
フランス語表記の発音がいまいち分からずおろおろしてると、
後ろのおにーさんに「それじゃない?」と助け舟を出され、
しかしその両方からつめたく呆れ笑いされた。‥‥ちょっとへこむ。
フランス人はフランス語喋らない人につめたいってこれか。
いや喋れないくせににのこのこ行く私も私なんだけど。
そして、もーいいや今日は帰ろ、
モンマルトルのサクレ・クールの聖堂でも見よ、と思って
乗った電車は特急だった。
特急だとは気付かなかった。それでも目的の駅には止まった。
しかしガイドブックに乗ってる駅名と実際の駅名が何故か微妙に違った。
駅は工事中ぽかった。
あれココかなーちょっと名前似てるけどなーと降りるのを迷ってるうちに
ドアが閉まり、あとは空港までノンストップ。げげ。
私が持ってるフリーパス券はパリの街中限定で、空港までは実は行けない。
まぁ改札出ないで逆方向の電車乗ればオッケーなのだが、
駅員さんに見つかったら、とか思うと変な汗かいてしまった。
弁解しようにも喋れないのだと今更ながらに思う。
あーなんか気が小さい。そして考えが甘い。自分。
空港まで行って戻って余計な時間を食った上、筋肉痛がひどくなり、
気分ものらなくなったので、おとなしくホテルに戻る。