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男同士の恋? 親友(恋人)と手合わせ(ダンス)

 夏休みもなかば、連日続く快晴のおかげで気温は上がる一方。

『夏と言えば照りつける太陽』だけど……ちょっと頑張りすぎだよ太陽さん。

たまには雨雲さんにも出番をあげて、夏休みなんだから、その上で一休みすべきだよ……などと思いながら律の提案を実行すべく待ち合わせをしている公園に向かっている。


(とおり雨でも良い、お願いだから雨よ降ってくれ)

 しつこく願う理由わけは……数日前の勉強会までさかのぼる。

 律の部屋、座卓で向かい合っていると……律は、宿題で頭を他へ向けられない僕に提案してきた。

「なあ始、俺達かりにも恋人同士だ……その相手が自分より弱いのは嫌だろ」

「まあ」

「だから近いうち公園で、じゃれ合う程度で良いから、相手をしてくれないか? ……きいてくれたら、そうだな、お茶を持ってきてやる」

「良いね助かる。よろしく頼むよ」

(あ、のせられた)気付いたときにはもうおそく、律は満面の笑みを浮かべ立ち上がるなり部屋を出て行った。

「じゃ今から持って来るよ」



 ……そして……現在にいたる。

歩道橋の上から公園を見下ろすと、広場の中央で腕組をしている律。

(やる気満々だ……待ち合わせなんだからベンチで座ってくれてたほうが僕も気が楽なのに)

と視線が合い、手をふる律。


「始、来てくれてありがとう」

「いまさらだけど、手合わせって本気?」

「うん……じゃさっそく始める。遊具で体温めてからにする?」


(遊具って、もう高学年なんだから、あんな小さい滑り台やジャングルジムで遊ぶ年でもないだろう)

 鼻で笑いながら、首を横に振る。

「大丈夫。さっそく始めよう……構えるから律からかかってきて」

「相変わらずせっかちさんだね。それに俺を先攻にするなんて余裕だね」


 鼻で笑い返す律……数秒後。

ボクシングガードの構えをとり、腰を下げ『よし』うなずく僕に『いくよ』とうなずきかえした律が突進してくる。


 挨拶代わり、お決まりの右ストレートだ。

(受け止めてやる)重ねる両手が見事、拳をキャッチ……するが、体ごと押しひきずられる。


(力バカ。だけどスピードなら僕に分がある)

 さらに腰を低くし、腕を伸ばした律の腹めがけて、平手スイングするが、後ろにジャンプする律


「よし!」

 平手が当たったことに思わず声を上げる僕……まあ実際は指先でなでた程度にすぎない。

しかし(あの律に一発みまってやった)とヒートアップして、少年漫画よろしく声を上げる僕に感化されたのか、笑顔になる律。


 数分後……はため知らない人が見たら公園のあちこちで男子小学生が死闘けんかをくりひろげている。様にしか見えない、はず……にもかかわらず、誰もそれを止めようともせず『ニコニコ』と観戦している。


(分かったぞ。僕達の間に入ってケガをしたくないからだ!)

ファイターズハイ、になって妄想する僕。



 と都合よくも、公園入口を通りがかった警官と目が合い……近づいてきた。


(ははは、どうやらバトルの終焉だ……でも、勝つのは僕だ!)

など『ニヤリ』と笑い油断した瞬間、律の姿が消え……僕を背に回ると、腕をつかみ上げるなり、一瞬で僕を腹ばいにねじ伏せるた。


「ぐえ」

 潰されたカエルみたいな声を上げる僕をよそに、すがすがしい声と笑顔で挨拶する律。

「こんにちは、お巡りさん。ご苦労様です」


「こんにちは島守くん。友達とじゃれ合うのもいいけど、擦り傷ていどで、大けがしないよう楽しみたまえ」

「はい」

「それでは本官ほんかんはこれにて」

律と敬礼をかわし、離れてゆく警官。


「いつまで乗ってる」こんしんの力で立ち上がり

「もう怒ったぞ」と僕は本気で拳や蹴りをくりだし続ける。


 しかし、そのことごとくが空振り……運よく当たっても、彼の手の平で、そのまま流され……背後に回り嫌がらせか、背中を『ポンポン』と叩き……さらに僕をむきにさせる……。


 そして数分間後……フラフラで、まともに拳を触れず膝に手をつき息をしていると……ジャングルジムから見物していた幼女(山田花子・四歳)が声をかけてきた。

「ねえねえ『くるくるダンス』もうお終い?」

「ダンスって、ケンカしてたんだけど」

「だって」



 幼女の指さす先には、ご機嫌な笑顔で回転する律。

と……そのやり取りに気付いたのか、近付き僕の肩を叩き、幼女に礼を言う。

「いや~勝負がつかなかったなんて、始って以外と持久力スタミナあるな」

「勝負がつかなかったって?」(誰が見たって律の圧勝だろう)

「この子(幼女)が言ってただろ……『もう終わったの(タイムアウト)』って」

「あ」

「お嬢ちゃん、見てくれてありがとう……お礼に、そこの出店でかき氷食べない?」

「わ~いありがとう。おねおに」

「おにいちゃん」戸惑う幼女に、苦笑いする律は僕にも「始にも、今日は付き合ってくれたお礼に、何かおごるよ」


『氷』と書かれたのれんはためく出店。


「いらっしゃい! なににするんだい」

「この子には、かき氷を」

「いちご・ブルーハワイ・うじ金時」

「で、俺達にはラムの串焼きを二本ずつ」

(え? こんな暑い日に熱いものって言うより。これもまたマニアックな)

「おおありがてぇ、夏場、串焼きは不人気で腐りかけてたとこなんだ……けど肉は腐りかけが一番おいしいってね(なお、腐りかけに肉は自己責任でお食べ下さい)」


「安くしてくれるんだよね」

「おう半額だ」

「そこのベンチで食べるから」


かき氷を受け取った幼女は「ありがとう」と手をふり、去っていった。







かき氷と思いきや……たこ焼きか、ラムの串焼き

「こんなに暑い日に、熱い物って」

「大丈夫、曇ってきてるから……ほら」空を指さす

「曇りっていうよりあの雲は」


セリフの途中で豪雨にぬれる、比較的近い律の家に到着。したとたん雨が止む

なんてご都合主義

読んでいただき、ありがとうございます。

『メガネ君先輩のたんじょう』

第七部『男同士の恋? は急展開』

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by.メガネ君(作者)

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