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勇者パーティーから追放された雑用係は全てを呪う復讐者に、なりません。  作者: 水無月 黒


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第五十五話 この先の探索に備えて武具を新調しました

 最近の冒険者ギルドは活気付いていた。その賑わいには少なからずアレクが関与していた。

 第三階層ではアレクの探索した範囲を再度探索する冒険者が数多く現れ、地図(マップ)の精度を高めて行った。

 さすがにアレクの探索した範囲の再探索は落ち着いてきて、ギルドの発行する地図(マップ)もあまり更新されなくなった。

 しかし、アレクの探索した範囲からさらにその先の空白地帯を探索しようという冒険者も現れるようになった。第二階層に留まっていた冒険者の中にも第三階層を目指す者が増えたらしい。

 また、第五階層の探索を目指す冒険者も増えたのだそうだ。

 上位の冒険者パーティーに対して、国が装備の貸与を始めたのだ。ダンジョン鉱山は国にとっても魅力的らしい。

 貸与と言っても、武器や防具は国の指定した鍛冶屋で新たに作成し、一定期間後に返却するのだけどその時には壊れていても良いという。成果を上げれば期限は延長され、その間の武具のメンテナンス費用は国が持つというかなり太っ腹なものだ。

 さらにパーティーに一個、魔法鞄(マジックバッグ)も貸与される。さすがにアレクの持っている高級品よりは容量がかなり小さいのだけれど、それでも探索がかなり楽になるだろう。

 国もかなり本気だ。相当なお金をかけているけれど、第五階層から鉱石や宝石が産出されれば元が取れるということなのだろう。

 そうそう、第五階層については、懸案だった落盤の(トラップ)についても対処方法が開発された。

 ドロップアイテム「ジャイアントモールの爪」を加工して作られたつるはし、通称「ジャイアントモールのつるはし」を使用すると落盤で埋まった通路を掘り返すことができるのだ。

 その事実を発見したのもまたアレクのパーティーだった。なにしろ第六階層以降の階層に降りるために何度も第五階層を探索したからね。試作品のつるはしも貰ったので色々試したのだ。

 ジャイアントモールのつるはしではダンジョンの壁は掘れないけれど、落盤の(トラップ)で埋まった通路を掘り起こすことはできる。そして一度発動した(トラップ)はダンジョンが修復するまでは無効化されている。

 つまり、わざと落盤の(トラップ)を発動させてから掘り返せば安全に通れるわけだ。結構手間だけど。

 そんなわけで、今まで扱い難かったジャイアントモールの爪もジャンジャンつるはしに加工されているのだそうだ。採掘ポイントを掘るのにも使えるし、第五階層を探索する際の必須装備になるらしい。

 第五階層を探索する冒険者が増えて、早く地図(マップ)が埋まるといいな。第五階層を通り抜けるのに毎回苦労しているからね。


 さて、次はいよいよ第九階層を目指すことになる。なので、今まで以上に入念に準備を行っている。第九階層のモンスターは手強いからね。

 そんなわけで、僕たちはアレクに連れられてトニーさんの鍛冶屋に来ていた。武器のメンテナンスということもあるのだけれど――

 「グレッグとジェシカには武器を新調してもらおうと思う。今の武器では第九階層のモンスターには通用しない。」

 そうなんだよね。第八階層でも僕とジェシカさんはボウガンに持ち替えて援護射撃に徹していた。

 第九階層のモンスターに対しても、僕の短剣やジェシカさんのナイフではかすり傷程度しかつけられない可能性が高い。それでは援護にもならない。

 ダメージを与えるにはもう少し長い武器が欲しいところだけれど、そうなると今度は僕の非力さが問題になる。僕もジェシカさんも力が強い方ではないので、大きくて重い武器を持って動きが鈍ると危険だった。

 「おそらく今の二人ならばかなりの力を付けているはずだ。大きな武器に挑んでみる価値はあるだろう。」

 しかし、アレクは自信たっぷりにそう言い切った。

 「強いモンスターと戦うと急速に強くなるという噂は本当だったらしい。俺たちも魔王を倒した後予想以上に強くなっていた。二人ともすでに第八階層での戦闘まで経験している。自分で思っている以上に強くなっているはずだ。」

 そういえば、そんな話を聞いたことがある。強いモンスターと戦った者はより強くなる。だからより深い階層で戦う者は隔絶した強さを得ると。

 なるべく深い階層に挑んでほしくてギルドか国が故意に流した噂じゃないかという疑いもあったのだけど、ダンジョンの外で戦闘訓練するよりもモンスターと戦った方が成長が速いという話は昔から言われてきた。

 また、後輩冒険者の育成に力を注いでいる冒険者には、駆け出し卒業寸前の冒険者をパーティーに入れて第二階層に降り、駆け出し冒険者に第二階層のモンスターを一体倒させるという風習がある。

 これをやると一人前になった時に死に難くなるというジンクスみたいなものだけど、モンスターを倒した分強くなるのならばそれも納得できる。

 そして、今の僕にはまた別の解釈ができる。実はこの世界には確認できないだけで、レベルとかとステータスとかゲームみたいな要素があるのではないだろうか?

 モンスターを倒せば経験値が溜まりレベルアップしてステータスも上がる。そう考えれば、強いモンスターを倒して急速に強くなるという現象も理解できる。

 アレク達が前よりも強くなっていたのは、ラスボスの魔王を倒したからだったんだね。

 そう言えば、直接攻撃に参加することの少なかったアリシアさんも妙に力が強かったから、パーティーに参加しているだけ、もしくは味方の支援でも経験値が入るシステムだと思われる。

 魔王討伐の時は、僕は戦闘には参加していなかったから経験値が入ったとしても僅かだっただろう。けれども今では僕も戦闘に参加して、第八階層までのモンスターと戦っている。レベルが上がっていてもおかしくはなかった。

 ジェシカさんも第三階層の探索から参加しているから似たようなものだろう。ジェシカさんはリッチになったホークも単独で倒しているしね。

 アレク達の今の装備は魔王を倒した後に作ったものだ。そこからさらにレベルアップしたとしても装備を作り直すほどではないだろう、と思う。魔王よりも格下でも凄い数のモンスターを倒しているからちょっと分からないけど。

 対して、僕とジェシカさんは装備を作った後に格上のモンスターとの戦いをさんざん経験してきたことになる。レベルアップによる急成長でより優秀な武器が扱えるようになっている可能性があった。

 元から強かったアレクやカレンさんが、目に見えて分かるほどさらに強くなっているのだ。レベルアップの効果は無視できなかった。まあ、アレク達が強すぎるせいで自分が強くなった気がまるでしないんだけどね。

 考えてみれば、元々僕が倒せるモンスターは第三階層のアンデッドがやっとだった。それが今では第七階層のミノタウロスやオーガを倒すこともできるようになった。トニーさんの作った短剣や、モンスターとの相性もなんかもあるけれど、レベルアップして強くなった影響もあるかもしれない。

 いずれにしても新しい武具を試してみる価値はあった。


 結論から言うと、僕もジェシカさんもかなり力が強くなっていた。

 トニーさんに武器を作ってもらう際に簡単な体力測定も行っていたのだけれど、その数値が軒並み上がっていた。

 置いてあった武器や防具を借りて色々と試してみたのだけれど、多少装備が重くなっても動きが鈍ることはなかった。

 カレンさんみたいに大剣を振り回すのは無茶でも、長剣くらいなら問題なく扱えそうだった。

 そんなわけで、僕とジェシカさんは装備を新調することになった。

 出来上がったら、少し新しい武器の練習をしておかないといけないね。


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