第5話
クロノスCo.は予想通りボロボロだった。
部下は被兵し、幹部のほとんどがやられていた。
予想外だったのが『ユリシーズCo.』『クロロスCo.』も同じくボロボロだった事だ。
「全軍待機」
「ルイス、軍が引いてくぞ」
イーズが言った。
「予想以上に被兵している、その上ウーティスが軍を引き上げたからこれ以上は戦えないと判断したんだろ」
「ここからはボク達だけで行く」
6人はクロノスCo.の中に入っていった
「ルイスか」
目の前に倒れている幹部、部下に対し涙を流すクロノスとアモールがいた。
「…」
クロノスは立ち上がりボクと2人で話がしたいと場所を移動した。
「お前にはまだ早い。この立場に立つにはお前はまだ未熟すぎる。考えも力も全てがだ。そんなお前についてくる仲間は馬鹿だ。遊び半分なら消えろ」
「なにも知らないあなたに言われたくはない」
「なら教えてくれ」
クロノスは雷で身体を覆った。
「ボクはあなたが嫌いだ」
同じく雷で身体を覆った。
殴り合い、刀を出し斬り合い、お互い残りの力を全て出し全力で語り合った。
その時間が長かったのか短かったのかボクにはわからなかった。
気がつくと地面に倒れ込んでいた。
「強くなったなルイス」
「…」
「さっきの発言全て取り消す。すまなかった」
「…」
「いつまで倒れてる。国のトップがそれじゃ誰もついては来ないぞ」
クロノスはそう言ってボクに手を差し伸べてきた。
「何がそこまであなたを変えた」
「変われなかった。だからこうなったのかもしれないな」
「…意味がわからない」
「私はただ、愛するものをずっと守りたかった。そのために力を求めた。会社を作った。そしてそれに固執してしまった。失う恐怖に支配されていたのかもしれない。今思えば自分をそうやって守っていたようにも感じる。変化出来ずに周りに押し付けていた。それがこの現象を生んだ。全ては私の責任だ」
「…その愛するものに入らなかった人達はどうなってもいいってこと」
「私自身が与える影響力が大きくなり、外への関心が小さくなっていた」
「…」
「全ては守れない、そう知ったんだ。私が守れるのはごく僅かそれを必死に守ることにした。『私に頼るな。そんなに守れない。失いたくないんだ』そう思ってから、その他を遠ざけた。どうなってもいいなんて思ってない。他を探してくれそう思っていた」
「…」
(父からそんな言葉が出るなんて思わなかった。こんな弱さを持っていたなんて思わなかった。こんなに苦しんでいたなんて思わなかった。)
「力で支配する時代は終わった。これからは人だ。ルイスなら大丈夫だ。私は世界一の息子を持った。最高の気分だよ」
「…」
涙が止まらなかった。
「さあ立て。これからこの国は生まれ変わる。アストライヤCo.の誕生だ」
「名前…知ってたんですね」
「当たり前だろ…全て知っている。側に居てやれなくてすまなかったな」
「謝るのはボクのほうだよ。父の部下が死んだのボクの責任だ」
「それは違う。判断を下したのは私だ。この結果を招いたのも私の判断だ。そこにルイスが入る余地はない」
父に向かってボクは深々と頭を下げた。
「誤ちを認め、それを行動で示せる者は強き者と決まっている」
父はボクの頭を撫でた。
「仲直りは出来たみたいだな」
アモールが見ていた。
「アモールすまない。これからは無職だ」
「自由で良い。どこにでも行ける」
フラフラの父はアモールの肩を借りた。
「ルイス!」
アイナ、スベルク、トリスタン、イーズ、アンナが近寄ってきた。
「大丈夫」
ボクはトリスタンの肩を借りた。
その8人の後ろ姿は暖かく、争っていたとは思えないほど…幸せそうだった
第二章完