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ピアノの音

今日はいよいよ、かの公爵令嬢とミシェイル様のお茶会か……今日こそは上手くいくといいのだが……


そろそろ着替えが済んでいるであろうミシェイル様の執務室へと向かい、ノックをする。


コンコン。


「私です、ヴィルです。」


「あぁ、入っていいぞ。」


「失礼致します。」


目の前に現れたのは普段と違って、きちんとした正装をしたミシェイル王子がいた。ただ――かなり挙動不審だが。まぁ理由は推して知るべし、というかまぁ、今日のお茶会のせいだろう。日頃の鍛錬でだいぶ引き締まった体になり、目も…ぶはっ、いや、うん、ちゃんと綺麗な青い目が見えるようになっている。


「……どうしたんですか?お茶でも用意させましょうか。」


「……そうだな、紅茶が飲みたい。」


メイドに指示を出し、紅茶をいれてもらい下がってもらう。そわそわと落ち着きがないので、座るように王子に声をかけ、まずは気を落ち着かせる。緊張するのはわかるけどな。まぁ、かなり久々だもんな。ちょっと紅茶をこぼしそうだからしっかりしていただきたい。会う前に服に染みができたらとんでもないからなぁ。


「今日のお茶会、楽しみですね。」


「そうだな。今日こそは失敗したくないし…その、まぁ、楽しい気持ちで帰ってもらえるのが一番だからな。」


「落ち着きがな……そわそわしていらっしゃるので、ピアノでも弾いて気分転換をしてはいかがですか?少しは気持ちも落ち着くのではないですか?」


「ちょっ……お前なぁ。落ち着きがないとはなんだ。十分落ち着いている。……だがまぁ、そうだな。お茶会の時間まではまだ時間があるし、執務も昨日片づけたからやることもないし、いいかもしれないな。」



ふん!とピアノのある部屋へ移動する主の後ろをついていき、しばらく耳を傾ける。元々、なんでも卒なくこなす殿下だが、先日公爵令嬢に送ったオルゴールのメロディが気に入ったということで、苦戦しながらも何度も練習する姿を見て、少し胸が打たれたものだ。おっと、そろそろいらっしゃる時間かな?


「そろそろいらっしゃることと思いますので、お迎えに上がります。後ほどお呼びします。今度こそ、わかってますね?」


「あぁ、ちゃんとわかっている。よろしく頼む。」


「承知致しました。」


==========


「ようこそ、いらっしゃいました。」


「ありがとうございます。」


驚いた。殿下と一緒でまだほんのり丸くはあるが、以前よりずっとずっと可愛い。綺麗で透き通っている紫の瞳も綺麗だし、まだ子どもだというのに落ち着いた雰囲気がとても魅力的だ。これは……いやいや、余計なことは言わないのが一番だな。うん。


「ご案内させて頂きます。こちらへどうぞ。お嬢様。」


スッと手を差し伸べてゆっくりと歩く。その時に殿下が弾いているピアノの音がふと聞こえた。ふと足を止めた公爵令嬢を見るととても驚いたような顔をしていた。


「スターシャイニング…」


やはりご存知ですよね。そりゃもう殿下が送ったオルゴールの曲ですからね!


「そうですよ。今日も弾いてらっしゃるみたいですね。この曲、ご存じでしたか。」


「えぇ、とても好きな曲なのです。この音色…とっても澄んでいて綺麗だわ…ずっと聴いていたいくらい。どなたが弾いているのでしょうか。」


「…殿下です。講義の合間の息抜きによく弾いているんですよ。」


「殿下が…この曲を…」


驚きますよね。でも、一生懸命練習したからこそのこの音色なんですよ。以前のイメージが悪いために、弾いている姿が想像できないかもしれないが。結構、様になっているんですよ。ミーティア嬢。


「さ、着きましたよ。こちらでおかけになってお待ちください。すぐに殿下を呼んでまいりますので。」


まぁまぁの衝撃だったでしょうか。ぼーっとしているけれど大丈夫かな……?


「えぇ、ご案内ありがとうございました。」


「…前回から約半年経ちましたけど、綺麗になられましたね。」


「少しだけですが痩せたもので、目の色は見えるようになりましたわ。ふふ。」


本当に綺麗になったなぁと思ったら口が滑ってしまった。


「失礼、そういうつもりで言ったのではないのですが。申し訳ありません。」


「いえ、実際私も未だに自分の顔が見慣れないのです。気になさらないでください。」


「ありがとうございます。では、少々お待ちください。失礼致します。」


ふ~。ミーティア嬢も綺麗になったなぁ。気分を害されていないといいのだが……とりあえず王子を呼びに向かうとしますか。きっとお二方ともお会いしたらお互い驚くだろうな。


反応を見るのを楽しみにしつつ、殿下を呼びに向かった。

短くてすみません。でも楽しんでもらえたら嬉しいです。

頑張って投稿していきます!

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