表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一種のジキルとハイド?  作者: 紅茶(牛乳味)
2/73

後悔中......

 俺は、なんてことを。

 ここは日差しがよく当たるキャンパス内のベンチ。周りには自然があり、俺のように一人でも、複数人でも、お昼ご飯を食べている人がそこそこの人数いる。そこで俺はお昼ご飯を食べるでもなくうなだれていた。見る人が見れば昼寝をしているようにも見えるかもしれない。まあ昼寝ではないんだけど。

 くそ、穏やかに生きるって決めていたのに、ああいうことをしないって決めていたのに......

「あの、忘れものですよ」

「へ?」

 いつの間にか俺の前に立っていたのは、先ほど俺に団子をねだった女の子だった。太陽にまぶしく反射される金色でストレートなロングヘアー。サファイアを彷彿とさせる真っ青な瞳。少し垂れている目じりと常に持ち上がっている口角が朗らかな雰囲気と相まって非常に魅力的に映る。

 ガサリ、と音を立てながら俺にビニール袋を差し出してくる。

「えっと、ありがとうございます」

「いえいえ」

 ビニール袋を受け取ると、俺の隣に腰かける女の子。なんだ、この子。さっきの俺の姿を見たはずなのに、こんなに近づいてくるなんて。

「お団子、いただけますか?」

「え、あ、はい。どうぞ」

 ガサガサと音を立てながらビニール袋から取り出した団子を渡すと、目を輝かせる女の子。うーん、本当に何考えているんだ? でも、ここで俺が『俺のこと、怖くないんですか?』なんて聞くわけにはいかないしなあ。

「あーー。おいしいです!」

「......そうですか」

 心からおいしそうな表情を俺に見せながらお団子を食べる女の子。そんな笑顔を見ていると先ほどのことを忘れてしまいそうになる。

 さて、お団子も渡せたし、俺は家に帰ってのんびりしようかな。

「それじゃあね」

 立ち上がって別れを告げると、女の子も付いてくる。ん?

「えっと、なんでついてくるんですか?」

「......ああ、そうですよね。失礼しました」

 一瞬呆けた後に、ペコリと頭を下げて俺とは反対側に歩いていく女の子。何だったんだろうか。

 まあいっか、とりあえず家に帰ろう。俺は帰路についた。





私もお団子は大好きです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ