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3年後の想い  作者: 美濃春香
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最終話・水族館デート

まだ夢心地。

誰かが私を揺すっているようだ。

んーまだ眠い。起きたくないよ。

ユサユサ…ユサユサ愛花……愛花ちゃん!

しつこいなぁ…ママかな?

「んー……なぁにぃ~?まだ眠いんだけど。」

私はあくび混じりにそう告げた。

そうすると揺すっている人物から返事があった。

「俺だよ。駿。今日デートの約束してたんですが!」

「んー駿くんね。」

私はモゴモゴというと、また夢の世界へ引き込まれていった。



また、誰かが揺する。もー眠いんだって!

「今日行かねぇの?水族館。楽しみにしてたじゃん」

水族館???

さっき、駿っ言ってた?????

あぁもしかして寝坊かも!

私はガバリと起き上がった。

「もー寝起きわるいなぁ……おはよ」

駿くんが呆れたようにそういった。

「おはよう。水族館、行くよ!行くから準備する‼待ってて」

「はいはい、じゃ俺部屋の外で待ってるわ。着替え終わったら呼んで」

「んー」

私は昨日選び抜いた服に着替え始めた。


「できたよー!」

私は勢いよくドアを開けた。

すると彼はドアの真ん前で待っていた。ドアが急に開いてビックリしたのか驚いたような表情をして……

「あっ……服可愛い。似合うよ。」

私はチャックのシャツ風のワンピースを着ている。ちょっと大人っぽく見えるように黒色にして、小さめの斜めがけバックを下げている。

「でしょー?」

「あれ?もしかして、初めて着る?」

「えへへ(^ー^)ばれた?」

「だよね。見たことなかったから。準備も出来たことだし、行きますか!」

「おー!」私は拳を上にあげた。


「愛花ちゃんのお母さーん!愛花ちゃん借りていきますねー。5時までには戻りますから」

俺は廊下から、リビングにいるであろう愛花ちゃんのお母さんに声をかけた。

「ママいってきまーす!」

愛花ちゃんも俺の真似してリビングに声をかける。

「はい、はい、行ってらっしゃい。二人とも気を付けてね」

そう言いながら、愛花ちゃんのお母さんは俺たちの見送りにきてくれた。

「はーい!」

二人は元気よく返事をして玄関を出た。

「さっ、恋人なんだし手繋ごうか!」

俺は、んっと愛花ちゃんの方に手を差し出す。

「えっ…」

愛花ちゃんは、照れてしまったようだ。

「ほーら、手。」

俺は差し出した手とは反対の手で、やや強引に愛花ちゃんの手をとると、自分の手と繋がせた。

「はい、しゅっぱーつ!」


二人で歩いてバス停まで向かう。

バスが来るまであと少し時間があるようだ。

唐突に駿くんがニヤリと笑って私をみた。

「あーそういえば、俺をくんづけするの禁止で。俺も愛花って呼ぶから」

「えー!?いきなり!?」

私は驚きのあまり大きな声になってしまう。

「こういうのは勢いとノリが必要なんだよ。」

「えーでも…」

「はい、呼んでみてよ!あ・い・か‼」

「しゅ……駿」

「はい、よくできました。」

駿がここぞとばかりに頭を撫でる。

私はそれだけで赤くなってしまった。

「あーバスきたきた!乗ろっ愛花」

駿は手を引いて私をバスにのせた。


「あー楽しかったね。」

愛花が楽しそうに呟く。

「そうだな。」

俺も楽しかったことを伝える。

二人とも自然と笑顔になっていた。

「カクレクマノミ、かわいかったなぁ」

愛花は可愛さを思い出しているようだ。

「愛花、カクレクマノミの所にずーといたもんな。」

「うん!可愛くてずーと眺めてられる。」

「そうだな。」

俺は可愛いのはお前だろ!と言いたくなる。だが、そこは堪えることとした。

「そんな、楽しかったならまた行こうぜ」

「ほんと!?やったー」

愛花はとても嬉しそうに笑う。

「うん。約束な。」

「うん。約束!」

愛花は、嬉しそうに笑い俺に小指を差し出してくる。

俺はその小指に自分の小指をからませた。

そして、いつかのように二人で歌う。

ゆびきりげんまん 嘘ついたらはりせんぼんのーます!ゆびきった!


「何かさ、前にも同じことした気がするんだよな。俺らってずっとこんな感じでやっていくんだろうな」

「うん。もちろん、ずーと仲良しで、だよ。」

「そっか、ずっと仲良しならずっと一緒

いれるよな。」


ーーーーーENDーーーーー


『3年後の想い』を読んでいただきまして、ありがとうございます。

予告していた通り、今日で完結とさせていただきます。

皆さんに少しでも駿や愛花が身近に感じられたなら、いいなと思います。


1ヶ月という短い期間にはなりましたが、読んでいただけて本当に嬉しかったです。

ありがとうございました。

また、小説は書いていくのでまた違う作品でお会いしましょう!

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