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図書遺産博物都市  作者: 伊都 空色
辺境
1/1

限界にきた民主主義に替わる体制思想を求めて


1 銃撃戦


「襲撃だ。回避。回避」

先任将校が大声で叫んだ。

さっまで、快晴のハイキングコースのような山道を車列が静かに進んで

いたのがウソのようだった。

「おい。ここは日本だぜ。いったい誰が攻撃をしてくるんだ」

「つべこべ言う暇があったら、対戦車誘導弾をセットしろ」

連絡将校も、状況がつかめないまま、第一報を本部と到着先に連絡を

している。

「交戦中だって? どういうことだ。状況を説明しろ」

本部の担当官と思われる声。

「正体不明の相手が、当部隊を待ち伏せしていたかのように銃撃を

しかけてきた。現在、当部隊は散開して応戦体制に入る」

部隊の指揮所である当車両に乗る部隊長が落ち着いた声で言った。

「隊長。当車両すぐ後方にある3号車が横転。迫撃砲のような煙が

あがっています」

「3号車。被害状況を」

「直撃弾なし。軽傷3名。重傷者なし。車両被害は軽度」

「こちらからの応戦は、実弾使用はせずに行う」

 部隊長から指示が出た。

 しかし、それじゃ実弾使う前に、こちらが壊滅させられちゃう

んじゃないの。

 「諸君。我がSDFは、相手の明らかな目的が分かるまでは

実弾による応射を留保する。つまり、こちらの目的を妨害しようと

するか、あるいはせん滅する意思が見られて初めて、実弾を撃つこ

とが正当化される」

そうだよね。憲法9条に書いてあるもんね。

「現在の我々の任務は、目的地である博物館まで、およそ3000冊の

図書書籍を無事に運ぶ事である。その目的を妨害する意図が明らかな

正体不明の相手方に対して、今から実力排除を行う」

武器で襲ってきた相手に、こちらは武器を使わないで、どうやって

排除していくって言うの?

「繰り返す。武器使用が目的ではない。実力排除が目的だ。そのために

できる事からやっていく。皆、知恵を出せ。知恵を出してくれ」

車内の興奮状態が、少し冷静さを取り戻してきた。

迷わずに撃て、じゃなくて、知恵を出せか。隊長らしいな。

「いい知恵が出たようだな。早速採用させてもらうぞ」

隊長が子供っぽく、こちらを見て笑った。

「最初の知恵は、一番つまらん方がいいんだよな」

隊長の言葉に、車内はエネルギー充填モードになってきた。

「つまらん知恵でも、一番最初に出してくれた勇気へ敬意を

表して採用すれば、あとはどんどん知恵が出てくるってもん

だからな」

隊長の言葉に、部隊全員の頭と手がフル回転し始めた。




2 被害報告

 

銃声が止まった。

「被害状況を報告しろ」

隊長の声が、その5秒程続いた静寂を破った。 

「部隊の状況報告。3号車が砲撃による攻撃で横転。死者なし。

自力走行不能。2号車は連絡不通。4号車は車両被害は軽微。

軽傷者2名。以上」

あちこちから入る通信と報告で、車内は祭りのような騒がしさ

だった。





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