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白。そしてクロック。

「ぐうぉおぉおおおおおおおお!!」

と身の毛もよだつような叫び声をあげながらオークは俺たちに突っ込んできた。

「散開!」

事前に昨日の夜に決めていた合図で俺たちは散る。

そして3人でオークを囲む形になったら

俺は言う。

「突撃!」

「おう!」

俺とともはるでオークに切りかかる。

だが二対一でもオークはものともせずに剣を構え、俺たち2人を軽くあしらう。

「くっ!強いぞ!」

「俺たちは抑えるんだ!」

そしてオークが俺たち2人しか見てなかったときに

「雪!今だ!」

「やぁーー」

っと間延びした返事とともに勢いよく短剣を背中に投げる。

オーバーによって強化された雪の力によって投げられた短剣は

すっ、とオークの背中に刺さった。

そしてオークが後ろにも意識を割いた時に、

「いくぞ!」

「おぉぉおおおお!!!」

持っていた剣をオークの脇腹に思い切り突き刺した!

そして

「散開!」

再び俺達はオークと距離を取る。

ヒットアンドアウェイだ。

「上手くいったな!」

「あぁ!」

「だめ!まだ気を抜かないで!」

雪がそう声を張り上げた時にオークは


ともはるに決死の体当たりをしていた。


油断していた。


吹き飛ばされるともはるを俺は見ていた。


そして吹き飛んだともはるから大量の血が流れ出して痙攣している。


そしてやがて


ともはるは動かなくなった。




「ともはるぅうう!!!!」

そういい俺はオークに突っ込んでいた。

体が勝手に動いていた。

しかしオークは俺を避け、雪の方に走り出していた。

固まる雪には避けられない速度だった。

そして雪もともはるのように吹き飛んだ。

真っ白な髪が夕焼けのように真っ赤に染まった。


「あぁ...あぁ....雪....ともはる....」

そして雪に突進したオークは脇腹の黒い刀を抜き

俺に向かってきた。


既に戦意は喪失した。


生きる意味さえなくなった。


「守りきれなかった。」

俺は思わずそう呟やく。


『守れなかったな』


「あぁ。わかってるよ。

雪もともはるも死んだんだ。」


『俺が一度だけ救ってやる。』


「救えるもんなら救ってみろよ。」


『身体の支配権を俺に移せ。』


「あぁ。好きにしろよ...白。」




オークが持つ剣。

あれは黒がともはるに作ってやっていたやつだな。

何度見てもかっこいいが。

豚野郎。雪とともはるを傷つけやがったな。


俺はどす黒い笑みを浮かべながら

「殺してやるよぉ!」

そう呟いた。


俺が放つ殺気。

雪たちを殺された事による怒気。

それらすべてをオークはその身に受け

全力で逃げ出そうと俺に背中を向けた。


だがもちろん。


「逃がすわけねぇよなぁ!」

あぁ。もちろんだ。救ってくれるんだろ?

「約束は果たす。だが、次ともはると雪を死なせたらお前を内側から殺すぞぉ!」

そうしてくれ。だが今は必ず救えよ。

「おうよぉ!」

「時よ止まれぇ!クロックゥゥ!!」



辺りが風一つ吹かなくなり。


草も大地もそしてオークも


完全に止まった。


「へぇ。粋なもんくれたじゃねぇかよぉ!クロノスさんよぉ!」

まさか一つの人格にスキルを一つずつとはな。

「俺がいて助かったの2度目だなぁ!おい!」

だな。とりあえず


「あぁ!だなぁ!」


「「お前は死んどけ。」」


オークの持つ刀を奪い首をはね飛ばした。


そして雪とともはるの『遺体』を1箇所に集め

「時よ戻れぇ!クロックゥ!」


辺りに散らばっていた血が

まるで逆再生のように雪とともはるの身体に

戻っていく。

そして頬に赤みが戻った。

これで時を動かせば生き返るであろう。

まさかこいつに助けられるとはな。

「俺は当分でてこれねぇ!時を操った代償かもなぁ!感覚的にわかるぞぉ!だがなぁ!俺が眠ってる時にどっちかでも死んでたらお前を本当に殺す。わかったなぁ?」

わかってるよ。今回も助かったよ。白ありがとな。

「はっ。今回もだろうがよぉ!まぁいい!支配権をお前に戻したら時は動き出すからなぁ!」

あぁ。わかった。

「あばよぉ黒!」

そして時が動き出す。

雪とともるが同時に

「かはっ!げほげほげほ!」

よかった。生き返った。

その姿を見て安心した俺は


意識を手放した。



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